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2015 まるとみ冨岡牧場レポート

2015 まるとみ冨岡牧場レポート

まるとみ冨岡牧場

浦河町のまるとみ冨岡牧場では、3人の高校生男子が参加しました。偶然にも青いつなぎを用意していた3人は、まるで同じ学校から来たかのように勢ぞろい。それぞれ、ディープインパクトの勝った有馬記念や競馬場の近くに住んでいたこと、兄が牧場の仕事を目指している、といった理由から競馬・馬に興味を持ち、この体験会にやってきたそうです。

体験中は飼い葉づくり、馬の手入れ、集牧・放牧、馬房・放牧地のボロ拾いを体験しました。説明・指導には牧場代表の冨岡秀信さんを中心に、秀信さん夫人やおじいちゃん、おばあちゃんも、強い馬づくりの知恵を授けました。


放牧作業

馬の集牧・放牧では、参加者も引き手綱を持ち、大人しい繁殖牝馬や当歳馬、馴致が進んでいる1歳馬を厩舎内・放牧地へと導きました。馬の引き手となってリードすることは、初心者ではなかなか上手にできません。馬の横に立って一緒に歩く様子は、何となく簡単そうに見えますが、しっかり馬とコンタクトをとらないと、馬は思い通りに進んでくれません。スムーズに馬を歩かせている冨岡さんと比べ、参加者の手はぎこちなさや迷いがあり、それが馬に伝わって、途中で立ち止まったり、右往左往したりする場面もありました。それでも、冨岡さんの説明を受けながら、無事に引き馬の仕事を果たしました。

集牧・放牧は馬を目的地へ連れていくだけでは終わりません。しっかり引き戸を閉める、馬栓棒を入れる、つまり戸締りするところまでがひと仕事です。馬が勝手に戸を開けないように、戸締りは厳重にできています。サッと馬栓棒を入れる冨岡さんでしたが、参加者はなかなか器用にできず。もたもたしていると馬が逃げ出してしまうので、冨岡さんがすかさずフォローしました。単純そうな仕事も、一つ一つコツを覚えねばなりません。

厩舎では、1歳馬と当歳馬の手入れをしました。参加者の一人が1歳馬の引き手を持って、一人がブラシをあてたり、裏掘りをしたり、協力して馬をきれいにしていきます。最初は恐る恐る馬に触れていた参加者ですが、冨岡さんが馬の気持ちを察しながら、身ぶり手ぶりでやり方を教えていくと、だんだんと上達していきました。


馬房掃除作業

馬が蹴る力は、人間にケガを負わせるほどの威力があります。それは、当歳馬でも侮ってはいけません。また、“サラブレッドはガラスの脚”と言われるように、脚は繊細な部分でもあります。手入れの際、冨岡さんは人馬の安全に配慮しながら、参加者に脚の触り方を丁寧に教えていました。参加者からは「思っていたよりも難しかった」という声が上がっていました。

他にも、飼い葉づくり、馬房掃除や放牧地のボロ拾いをしました。馬が汚した寝わらやボロは臭いがするので、それが苦手で牧場の仕事を断念する人もいるぐらいなのですが、参加者からは「特に気にならなかった」と、平気だった様子。「仕事の丁寧さ、スピードが大事と、冨岡さんから教わりました」と、参加者は仕事での基本的な心構えについて、よく吸収できたようです。体験最終日にもなると、真新しいつなぎは、3人ともよくなじんでいました。

体験期間中は終始、まるで学校の先生のように、体験生の受け入れに尽力していた冨岡秀信さん。体験の受け入れを終えて、
「最初はみんな物静かで、緊張していたようでしたが、だんだん慣れてきたようで、打ち解けてきましたね。馬の仕事に対して、やる気の高さを感じました。引き馬は上手くなったし、寝わら仕事も早くできるようになっていました。近年、日高は人材不足が続いているので、一人でも多くの体験参加者に、将来、牧場の仕事を目指して欲しいと思います。大変な仕事ではありますが、馬が好きならば続けていけるし、やりがいも十分あります。自分に合っていると思えたら、是非、この道を突き進んで欲しいです。」
と、参加者にエールを送っていました。

各牧場での仕事体験レポート(2~4日目)

過去のレポート