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2014 体験会レポート(1日目)

2014 体験会レポート(1日目)

レポート(1日目)

もう、この号がお手元に届くころには第93回凱旋門賞の結果が出ていると思います。最強の布陣で挑む日本馬3騎が、過去、欧州調教馬以外は1度も先頭でゴールしたことがない厚い壁をこじ開けることができるのか。原稿執筆時に結果を知る由もありませんが過去15年で2着4回。日本の馬が世界最高峰レースで日の丸をあげるために必要なのは、ほんのわずかな幸運だけのような気もします。
世界に通用する強い馬づくりには「よい血統とよい生産環境」「よい育成、調教施設」そして「その両者を十分に使いこなすよい人材」が不可欠だと言います。日本の馬が世界から羨望のまなざしで見られるほどに躍進を遂げているのは、この3要素が揃っているからにほかならないのです。
もはや「自分が手掛けた馬が世界を舞台に活躍する」。それは夢ではなく、現実の目標でもあります。そんな若者たちの夢を実現させるためのお手伝いが「BOKUJOB」です。すっかり恒例となった「夏休み牧場で働こう体験会」も今回で4回目。近年の傾向から社会人、大学生よりも高校生。男性よりも女性に多くご参加いただいておりますように、今回も参加15人中10人が高校生。女性の参加者が9人というバランスになりました。16歳から23歳までのフレッシュで、やる気に満ちた15人が5泊6日という短いスケジュールの中で、どのように成長してくれるのか。今回も密着レポートをお届けします。

「夏休み牧場で働こう体験会」スケジュール

1日目8月17日(日)
14時
  • 新千歳空港集合
  • 浦河優駿ビレッジAERUへ移動
夕方
  • オリエンテーション
  • 体験牧場との顔合わせ夕食懇親会
  • 夕食あり
宿泊 AERU(浦河町)
2日目8月18日(月)
午前
  • 朝食あり
  • 各牧場(浦河)での牧場就業体験
午後
  • 昼食あり
  • AERUにて乗馬体験
  • 専門家の方より講義
夕方
  • 夕食あり
  • BTC職員、牧場関係者を交えた夕食懇親会
宿泊 AERU(浦河町)
3日目8月19日(火)
午前
  • 朝食あり
  • 各牧場(浦河)での牧場就業体験
午後
  • 昼食あり
  • 各牧場(浦河)での牧場就業体験

    実際に体験牧場に宿泊していただきます。

  • 夕食あり
宿泊 各牧場(浦河他)
4日目8月20日(水)
午前
  • 朝食あり
  • 各牧場(浦河)での牧場就業体験
午後
  • 昼食あり
  • AERUにて乗馬体験
  • 専門家の方より講義
夕方
  • 夕食あり
  • 夕食懇親会
宿泊 AERU(浦河町)
5日目8月21日(木)
午前
  • 朝食あり
  • 各牧場(浦河)での牧場就業体験または希望者はBTC研修体験入学会
  • BTC調教場施設見学
午後
  • 昼食あり
  • 新ひだか町静内地区へ移動
  • JBBA静内種馬場見学
夕方
  • 夕食あり
  • JBBA研修担当者及び研修生との懇談会
宿泊 静内ローレル(新ひだか町)
6日目8月22日(金)
午前
  • 朝食あり
  • JBBA研修見学
午後
  • 昼食あり
  • 関係施設見学
  • ノーザンホースパークにて昼食
15時
  • 新千歳空港解散

集合 ~夢に向かっての第一歩~

北海道在住の2人を含め、参加者が集合したのは新千歳空港です。今回、体験会に参加いただいたのは東北、関東から大阪、愛媛、新潟など全国から集まった男女15人。乗馬経験がまったくない参加者も5人ほどおりましたが、そんなことは関係ありません。「昨年も応募したが、選から漏れてしまった。再チャレンジです」(16歳、高校2年生)という参加者もいれば「JRA厩務員を目指している」(17歳、専門学校2年生)とはっきりとした目標をもった人も。あるいは「過去、他の牧場で就労体験をしたことがある」(16歳、高校2年生)とか「馬が嫌がること、喜ぶことを学んで帰りたい」(16歳、高校2年生)と私たちスタッフも例年以上に“やる気”を感じながらのスタートなりました。
比較的年齢も近く、そして志を同じくする仲間たちとはいえ、参加者全員が初対面。牧場で働く体力よりも、他の参加者や牧場のひとたちとのコミュニケーションに不安を感じる人も多かったようですが、志を同じくする仲間たちです。打ち解けるのにそう多くの時間は要しなかったようです。
千歳空港から、目的地の浦河まで約3時間。バスの中ではそれぞれが参加した動機や将来の目標などを交えて自己紹介を行ったのち、車窓に広がる牧歌的な風景を楽しみながら、事務局からスケジュールの再確認や生活に関する注意事項などに耳を傾けます。もう、この時間から体験会はスタートしています。
牧場の仕事というのは「あいさつに始まり、あいさつに終わる」とも言います。1頭のサラブレッドが、競走馬として(あるいは、その後さまざまな形のなかで)一生を送るためには多くの人間の手を経なければなりません。馬とのコミュニケーションももちろん大事ですが、人間同士のコミュニケーションも同じくらい大切なことなのです。
そういう意味では、事前アンケートの中で「コミュニケーション」を大事なことととらえ、そしてそうした部分に対する不安をあげた参加者が多かったことは事務局としても嬉しいことでした。
長いようであっという間の5泊6日。初日に体験していただくことは移動だけではありません。浦河町のAERU到着後は、オリエンテーションと体験牧場との顔合わせ夕食会です。オリエンテーションでは、体験会全体のスケジュールや1日の流れなどを再確認。それから体験牧場との夕食会では牧場主とのコミュニケーションも大切な一コマになります。仕事のこと、生活のこと、それから馬のこと。まだ若い参加者に多くを望むことは無理かもしれませんが、この体験会が無駄なものにならないようにしっかりと話しをするということも大切な仕事の一つなのです。

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