2015 体験会レポート(3日目)
2015 体験会レポート(3日目)
レポート(3日目)
各牧場に泊まりで仕事体験
この日は行程中、唯一の終日牧場実習。そしてそれぞれの牧場に泊めていただき、牧場の一日を体験します。午前中の作業を終えたあと、昼食はAERUでとりますが、夕食はそれぞれの牧場で用意されたものをいただいて、文字どおりに寝食を共にします。
宮内牧場には東京から参加したいずれも女性の大学生と高校生2人。北海道札幌市から参加した高校生の計4人を受け入れていただきました。「将来は、ぜひ牧場で働きたい」「候補のひとつ」「まだ真剣に考えているわけではない」と意識はそれぞれですが、ここでも馬の集牧と手入れをメインに牧場の1日を体験します。まだまだ緊張気味の4人ですが、昨日、同牧場の宮内慶さんからプレゼントされた帽子をかぶって作業へと取り掛かります。集牧では、どっしりと構えた母馬の落ち着きと、生まれたばかりでまだあどけなさを残す当歳馬たちの力強さに驚きながらも初めて経験する馬とのコミュニケーションを楽しみます。「馬へのブラッシングは手入れと同時に、マッサージ効果もあるし、人間とのコミュニケーションをとる上で大切なこと」と聞かされては手を抜くわけにもいきません。検温、そして集牧後の馬体のチェック。このときばかりは軍手を外して素手で馬の体温を感じ取ります。「些細な変化を感じ取れるようになることを心がけてください」。昨日、初めて経験したことでも今日は2度目。そして明日は3度目です。そのとき微妙な変化を見つけることが仕事なのです。それから飼葉づくりです。プロテイン、ファイバー、ミネラル、カルシウムなどなど。ひとくちに切草といっても数種類をブレンドし、そして麦やビートその他もろもろ体調にあわせて調合していきます。馬が口にするものといえば草だけだと思っていた4人は目を丸くします。
そのころ、高村牧場では、この日で牧場を旅立つ1歳馬への手入れが行われていました。参加した3人にとっては、昨日が初対面の馬ですが、やはり牧場を包み込む「別れ」独特の空気感が緊張感を高めます。なかなか体験できない貴重な時間は、3人の胸に何を残したのでしょうか。
そうした重い空気を一掃するかのように、残った時間は杵臼牧場で実習をしていた参加者も合流してポニーによる体験乗馬が行われていました。
杵臼牧場で牧場体験を行ったのは埼玉県から参加した女子大学生のほか2名の女子高校生。牧場では主に馬房掃除や寝わらあげ、放牧地のボロ拾いなどを体験してもらいました。放牧地は、草食動物である馬が自由に粗飼料を摂取することができる場所です。草が栄養を蓄えながら育つためには、ボロ拾いや雑草取りは不可欠。母子が一緒に放されている放牧地でのボロ拾いはつらい作業ではありますが、馬とのコミュニケーションをとりながら作業を進めます。また、場主である鎌田さんの粋な計らいで休憩時間を利用して浦河の町や海を案内してもらうなどリフレッシュ効果も手伝って充実した牧場体験になったようです。
茨城県から参加した高校3年生は「不安もありますが、しっかりと将来を考えたい」と感想を口にしていました。
さて、高村牧場での乗馬体験。乗馬用にしっかりと調教されたポニーですが、騎乗し自分で馬をコントロールするのは想像以上に難しいものです。昨日、AERUの体験乗馬で教わったことを思い出しながら、前に進む事、まっすぐ歩く事を繰り返し練習していました。
この日は、体験期間中、唯一のファームステイ。宮内牧場では、夜、バーベキューを囲んで北の味覚に舌鼓をうちます。体は疲れていても、心は元気。東京と北海道のライフスタイルの違いなどガールズトークに花を咲かせていました。
各牧場の様子は下記のページをご覧ください。