2012 杵臼牧場レポート
2012 杵臼牧場レポート
杵臼牧場
杵臼牧場は名馬テイエムオペラオーのふるさとで、昨年に続いての受け入れ。「共通の話ができる仲間ができて嬉しい」と喜ぶ女子3人が参加しました。
ここでは馬の手入れ、出し入れ、ボロ拾い、寝わら上げ、寝わら干し、水桶洗いといった牧場のルーティン・ワークが彼女たちの役割となりました。牧場の朝は早く、5時には仕事のファンファーレが鳴ります。朝の寝わら上げでは馬房で汚した寝わらをせっせと選り分け、ボロを集めて堆肥場に運びます。まだ使える寝わらは日光で乾燥させ、紫外線による殺菌効果も図って再利用します。参加者は徐々に寝わらの扱いに慣れ、淡々と仕事に励む姿は牧場の人と見まがうほどでした。寝わら作業がひと段落すると、馬房から水桶を外し、洗い場で丁寧に洗浄して乾かします。単純な作業ですが、機械のように効率的に洗う一方、人の手だからこその細かな汚れの発見も重要です。ムラなく、集中を切らさずに実行しました。
馬の手入れ、出し入れでは馬を教育しながら、馬も人もケガに気を付けなければならない場面です。特に当歳・1歳馬は馴致期間が浅いので、突発的な動きをしたり、わがままな態度を示したりします。「馬は高価な生き物で、事故があっては取り返しがつきません。甘い考えで接してはいけないと思いました」、「仔馬を可愛いと思っているだけでは勤まりませんね」と、参加者は赤裸々にその感想を伝えていました。ファームステイの夜は外でバーベキュー。杵臼牧場の鎌田信一さんは参加者からの熱心な質問に応じながら、「今は景気が悪く、1頭あたりの価格が下がっている。厳しい馬産地の状況を知った上で、やっぱり自分に適していると感じたら、馬の仕事を選んで欲しい。」と、激励しました。
最終日はお世話になった鎌田さん夫妻、牧場スタッフと記念撮影。主に、彼女たちの指導・アドバイスにあたった鎌田さん夫人は、
「暑さにも負けず、どの仕事も真面目に取り組んでいて、その頑張りは素晴らしかったです。短期間での体験でしたが、基本的な仕事については慣れたのではと思います。牧場は力仕事が多いのも事実ですが、本人の気持ち次第で女性も活躍できます。自分に合った仕事を見つけるために、ここでの体験が少しでも役に立ってくれたら嬉しいです。」
と、優しく背中を押していました。