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2025年体験会レポート(6日目)

2025年体験会レポート(6日目)

レポート(6日目)

もう一つの目的 ~研修施設の見学と研修生との交流~


夢に向かってジャーンプ!

本日は、午前中に浦河町西舎にある(公財)軽種馬育成調教センター(BTC)の調教施設や「育成調教技術者養成研修」の見学を行います。BTCは日本中央競馬会日高育成牧場内に位置し、その総面積は約1,500ヘクタールとのことで、英国のニューマーケットやフランスのシャンティイと並ぶ大規模な育成調教場です。現在は多数の民間育成業者がこの施設を利用し、強い競走馬づくりに励んでいるとのことです。
最初に訪れたのは屋内直線馬場。全長1,000mのウッドチップコースでは、毎日約500頭、多い日には800頭もの調教が行われているとのことで、双眼鏡を使ってようやく確認できるスタート地点に参加者からは驚きの声が上がりました。
続いて調教施設全体を一望できる「見晴らし台」へ移動。屋内直線馬場の他に2,000mのグラス馬場直線走路、1,000mの屋内坂路馬場、さらに1,600m、800m、600m(屋内)のトラック馬場などがあって、調教進度や状態に応じて使い分けられているとのことで、参加者は広がる雄大な敷地や充実した施設に圧倒された表情を浮かべていました。
最後に40ヘクタールもの広さを誇る坂路グラス馬場へ移動。雄大な山々を背景に、毎年恒例となっている集合写真を撮影しました。


走路での騎乗訓練を行う研修生

施設見学の後、参加者たちはBTCが実施する「育成調教技術者養成研修」を見学しました。この研修は、サラブレッドを競走馬として調教する技術を学ぶことを目的とした1年間のプログラムです。
この日行われていたのは走路騎乗訓練。入講から4か月も経過していない研修生たちは、教官から厳しい指示や指導を受けながらも真剣に取り組んでいました。「身体で覚えること」が何より大切だとされるこの研修において、参加者はその緊張感と熱意を肌で感じ取り、全員が真剣な表情で訓練の様子を見守っていました。


整った共用施設に参加者も安心の表情

訓練の後、厩舎で担当馬の手入れを行う研修生の中には、昨年の「牧場で働こう体験会」に参加していた人物の姿も。今年の参加者にとっては“先輩”にあたる存在であり、BTC教官の声掛けによって交流の場が生まれました。先輩研修生は入講試験に向けた準備や研修中の体験談を積極的に語り、今年の参加者にとっては未来を具体的に思い描く貴重な機会となりました。
参加者たちはBTC研修生が生活する「あかしあ寮」を訪れ、トレーニングルームや居室を中心に見学しましが、研修生たちの日常を垣間見ることで、実際に入講した際の生活のイメージを具体的に持つことができたようです。

その後は、研修生たちを交えて昼食会が開かれました。過去のBOKUJOBイベント参加を経て研修生になった方も多く、BTC研修への入講を希望している”後輩”からの数多くの質問に率直な回答する姿を見受けられました。参加者にとって、研修生からの回答は将来を考える上での貴重なものになった様子でした。
昼食会が終了すると、次の見学先である新ひだか町静内の(公社)日本軽種馬協会(JBBA)のJBBA静内種馬場へと向かいました。


部班運動を見学する参加者

到着後、最初にJBBA静内種馬場で実施されている「生産育成技術者研修」 を見学しました。この研修は、サラブレッドを生産・育成する技術を学ぶことを目的とした1年間のプログラムです。 この日は、角馬場で騎乗訓練が行われていましたが、研修生の多くは騎乗未経験からのスタートで、BTC研修生と同様に騎乗を開始してわずか4か月程度の期間しか経っていません。それにもかかわらず、教官の指導のもと、落ち着いて部班運動を行う研修生の姿に、参加者は驚きつつも真剣な眼差しで訓練の様子を見つめていました。口々に「自分もあんなふうに騎乗できるようになりたい」と感想を漏らす参加者もおり、実際の訓練レベルの高さに刺激を受けている様子がうかがえました。


トレーニングルームで”先輩”との交流も

その後、JBBA内の種牡馬厩舎に移動して、JBBAで繋養しているカラヴァッジオ、ソットサスやステラヴェローチェなど種牡馬を見学させていただくことに。参加者の中には就業体験時にイーストスタッドでの見学の機会があった者もいましたが、参加者の多くが、はじめて種牡馬を見るという貴重な経験で、その迫力に圧倒された様子でした。また、就業体験先の牧場にある厩舎の馬房との広さの違いに気づき、参加者から「馬房清掃が大変そう」といった感想も聞かれました。
見学を終えた一行は再び研修エリアへ戻り、研修寮にて「生産育成技術者研修」の概要説明が行われました。参加者の多くはJBBA研修への参加を前向きに検討していることから、教官の説明に真剣な表情で耳を傾けていました。参加者の中には説明の一言一句を逃すまいと熱心にメモを取る人や、自身の疑問を積極的に質問する人もおり、研修に対する関心と意欲の高さがうかがえました。
その後、騎乗訓練を終えた研修生も合流し、一行は二班に分かれて寮内の施設見学とトレーニングルーム体験へと移りました。
食堂、研修生が生活する居室など、実際の生活環境を間近に確認しながら、研修生や教官から日々のスケジュールや生活の工夫、研修を通して感じていることなどの話を聞くことができました。実際に研修を受けている研修生の声は参加者にとって興味深いものであり、メモを取りながら熱心に耳を傾ける姿が随所に見られました。
トレーニングルームでは、研修生の指導のもと、騎乗のためのシミュレータや各種トレーニング器具の体験が行われました。参加者たちは慣れない動作に戸惑いながらも楽しそうに挑戦しており、研修生からアドバイスを受ける中で笑顔が広がる場面もありました。実技体験を通じ、研修の一部を実際に体感できたことで、参加者同士だけでなく研修生との交流も一層深まりました。


研修生と参加者みんな揃って集合写真

今回の研修寮での説明や見学、体験は、参加者が研修の実情をより深く理解し、自身の進路や将来像を考える大きなきっかけとなったようです。本日のBTC研修・JBBA研修の見学を通して、研修に対する期待感とモチベーションが高まった一日となりました。
寮施設の見学の後は、毎年恒例の教官や研修生を交えた夕食会としてバーベキューが開催されました。バーベキュー台を囲みながら参加者と研修生が一緒に肉や野菜を焼く姿があちこちで見られ、夕食会は終始、和やかで温かい雰囲気に包まれていました。食事の合間には、「もう明日で終わりか」と名残惜しそうな声が漏れる場面もあり、参加者同士が1日の行程を振り返りながら語り合う様子も見られました。また、BTC・JBBA両研修の見学で得た気づきや施設・研修に対する印象、体験会の感想などを一人ずつ発表する時間も設けられ、それぞれが自分なりの視点で感じたことを共有し合うことで、会場はさらに前向きで温かな空気に包まれていきました。
明日が最終日ということもあり、どこか寂しさを抱えながらも、美味しい焼肉を囲む参加者の表情には、どこか満足と充実感がにじんでいました。夕食会の締めくくりには、毎年恒例となっている記念写真の撮影が行われ、笑顔あふれるひとときのまま、この日のプログラムは締めくくられました。