2025年体験会レポート(3日目)
2025年体験会レポート(3日目)
レポート(3日目)
作業にも少しずつ慣れてきた就業体験2日目

黙々と取り組む馬ダイスの駆除作業
就業体験2日目の朝、曇り空からわずかに光が差し込み、穏やかなスタートとなりました。本日のレポートは浦河町西幌別にあるビクトリーホースランチからお届けします。ここでは男子参加者3名が就業体験に取り組んでおり、担当の橋川大輝さんと共に作業が始まりました。
最初に向かったのは、放牧地に向かう馬たちを馬運車に乗せて移動する作業の見学です。橋川さんは、「馬は商品であり、命ある生き物でもあるため、大切に扱わなければならない」という基本理念のもと、単純に見える馬運車への乗せる作業にも細心の注意を払っていると説明してくれました。馬のストレスや怪我を防ぐため、時間をかけて慎重に作業を行うとのこと。参加者は橋川さんのご厚意で、特別に馬運車に乗る貴重な体験もさせていただきました。
その後、牧草地まで移動し、広大な牧草地に生える「馬ダイス(エゾノギシギシ)」の駆除作業が始まりました。馬ダイスは繁殖力が強く、乾草を駆逐するため、牧場にとっては厄介な存在です。参加者は「結構ありますね。やる気出てきました!」と、事務局スタッフに笑顔を見せながら、担当区画を決めて黙々と駆除作業に取り組みました。
昼休憩の後は、荻野豊さんからの講話の時間。荻野さんは専修大学馬術部で活躍後、ビクトリーホースランチを開業された方で、参加者に向けて「なぜ競走馬の牧場で就業したいのか?」と問いかけました。この質問には参加者たちが一様に黙ってしまいましたが、荻野さんは「理由なんてまだ分からないよな!」と豪快に笑いながら、続けてアドバイスをしてくれました。
荻野さんのアドバイスは、「やってみて面白かったら、この仕事は続けられる」というものでした。また、荻野さん自身も開業当初は試行錯誤の連続だったが、やりがいを感じ、辛いことも耐え忍ぶことで人間として成長できることに気づいたと語りました。この言葉に、進学や就職を控えた参加者たちは真剣に耳を傾け、熱心にメモを取ったり、大きく頷いたりしていました。
予定されていた1時間の講話はあっという間に終了し、荻野さんからは「頑張れよ!」という力強い言葉をもらい、参加者たちは再び作業へと戻りました。

初めての種馬場見学
続いてレポートするのは同じく浦河町西幌別にある中島牧場です。
今年から就業体験にご協力いただく中島牧場では、女子参加者3名が就業体験を行っています。事務局スタッフ到着時には、厩舎の馬房内でボロ拾いと寝藁上げの作業を行っていました。代表の中島雅春さんらに教えていただきながら、3名は黙々と作業を行っていましたが、就業体験も2日目となり、昨日よりは手際よく作業をしているように感じられました。
馬房清掃が終わった頃には、ちょうどお昼休憩の時間となり、3名は本日の作業内容について語り合いながら、事務局が手配したお弁当を食べました。
昼休憩の後、中島さんのご配慮で、牧場からほど近いイーストスタッドを見学する機会を設けていただきました。イーストスタッドは浦河町を中心とした牧場などが組合員となって運営される種馬場で、かつてはタイキシャトル、ディープスカイ、メイショウサムソンなどが繋養され、現在はマジェスティックウォリアーやダノンレジェンドといった人気種牡馬が繋養されている種馬場になります。
種馬場スタッフのご案内で、3名は特別に種付場や厩舎にいる種牡馬を見学させていただく貴重な機会を得ました。これまでの就業体験の中で、繁殖牝馬や当歳馬、1歳馬と触れ合い、世話をすることはありましたが、種牡馬と対面するのは初めての経験でした。

2日間お世話になりました!
種牡馬たちの雄大な馬体やその迫力には、3名とも驚きの表情を見せていました。それまで見てきた馬たちとはまるで異なる存在感に圧倒され、改めて馬の力強さなどを感じている様子でした。
就業体験2日目、午後5時をもって作業は無事に終了し、この日で前半の就業体験が終了しました。参加者はお世話になった牧場の代表者やスタッフの皆様に感謝の気持ちを込めて御礼の挨拶をし、その後ホテルに戻りました。

後半の就業体験に向けて情報交換
就業体験にも少しずつ慣れてきたため、参加者たちにとっては疲労感よりも空腹感の方が大きかったようです。ホテルに戻ると、みんなが楽しみにしていた夕食の時間となり、昨晩と同じように体験したことを語り合いながら、和やかな雰囲気の中で過ごしました。
明日から始まる後半の就業体験に向けて、参加者は前半の体験者から情報収集したりしながら、明日からの後半の就業体験に向けての準備をしていました。
