2025年体験会レポート(2日目)
2025年体験会レポート(2日目)
レポート(2日目)
緊張のなかで就業体験がスタート!

広い放牧地でのボロ拾い作業
就業体験初日の朝、参加者たちは作業着に長靴、軍手という本格的な姿で午前7時30分にホテルのエントランスへ集合しました。緊張感が漂う表情からは、これから始まる牧場での就業体験に対する期待と不安が入り混じっている様子がうかがえました。
前夜に降った雨の影響で空は厚い雲に覆われていましたが、強い夏の日差しがなく、初めての体験を迎える参加者にとっては過ごしやすい気候となりました。事務局スタッフの見守る中、参加者たちは班ごとに分かれて送迎車へ乗り込み、体験先となる各牧場へと出発しました。車内では静かな緊張感が続きつつも、いよいよ本格的な就業体験の第一歩が踏み出されました。
本日最初のレポートは、今年から新たに就業体験にご協力いただいた浦河町西舎のオカモトファームでの就業体験です。レポート当日は男子参加者3名が体験に臨んでいました。牧場に到着した頃には雲間から日も差し始め、湿った放牧地から上る湿気の中での作業となりました。
最初の作業は、広大な放牧地でのボロ(馬糞)拾い。熊手と塵取りを手に、広い敷地を歩き回りながらひたすらボロを集めるという体力を要する作業で、開始早々3人は汗だくの状態に。それでも互いに声を掛け合い、時には互いのぎこちない動きを笑い合いながら協力して取り組む姿からは、早くも仲間意識が芽生えている様子が感じられました。

慣れないフォークを使用した馬房清掃作業
続いて行ったのは飼葉用バケツの洗浄作業。「全然洗えてないぞ!」「もっと綺麗にしないと!」と互いに注意し合いながら、真剣さと笑いが交錯する場面もありました。その様子を見守っていたオカモトファーム代表・岡本晶市さんの表情には自然と笑みが浮かび、参加者たちを温かく見守る姿が印象的でした。
続いてのレポートは、名馬テイエムオペラオーの生産牧場として知られる浦河町杵臼の杵臼牧場での就業体験です。ここでは女子参加者3名が体験に臨んでいました。「牧場での仕事の現場を自分の目で確かめたいと思い応募した」という強い意欲を持つ参加者もおり、初日から真剣な姿勢が見られました。
最初の作業は馬房清掃と寝藁の入れ替え。出発時は緊張した面持ちだった3人も、鎌田正信代表の丁寧な説明を熱心に聞き、各自の担当馬房に割り振られて作業を開始しました。湿って重くなった藁をフォークで持ち上げる作業は大変な重労働で、額に汗を浮かべながらの取り組みとなりましたが、次第にコツを掴んだのか、作業の手際は目に見えて早くなっていきました。その様子からは、参加者が体験を通じて少しずつ成長していることが感じられました。

聴診器で馬のお腹の音を確認する参加者
本日最後のレポートは、浦河町上杵臼にある笹島智則牧場での就業体験です。ここでは男子参加者3名が体験に臨みました。最初の作業は馬房清掃と寝藁の入れ替えで、汗をかきながらも真剣に取り組む姿が見られました。
その後、前夜の雨で濡れた牧草を食べてお腹にガスが溜まった牝馬の様子を観察する場面がありました。代表の笹島智則さんによると「こうした症状の時は獣医に見せるのではなく、円周運動をさせて腸を動かす」とのことで、参加者と事務局スタッフが見守る中、牝馬は運動を開始。腸が動く際に「音」が聞こえ、その音が消えることが回復の合図になると説明されました。
笹島さんは「音を聞いてみるかい?」と参加者に声をかけ、実際に聴診器を使って馬のお腹の音を確認する体験を提供。参加者たちは「ブーって音がする!」「体調が悪そうな音だ」と率直な感想を口にしながら、明るい雰囲気の中でも真剣に牝馬の様子を観察しました。

緊張から解き放たれて楽しい夕食の時間
この体験は、参加者にとって、牧場で働く上で日常的に直面する「馬の健康管理」を学ぶ貴重な機会となりました。
就業体験1日目は午後5時で作業を終え、送迎車でホテルへ戻った参加者たちの表情には、全身を使った疲労の色が見える一方で、やり遂げた達成感から自然と笑顔がこぼれていました。緊張の中で始まった一日でしたが、それぞれが牧場での仕事をやり切った充実感を抱いている様子がはっきりと伝わってきました。
夕食の場では、各牧場で体験した作業や印象に残った出来事を語り合い、互いの経験を共有することでテーブルごとに笑い声が聞こえてきました。馬房清掃の大変さや馬との触れ合いで感じたことなど、参加者同士が率直に話し合う姿からは、初日から仲間意識が深まりつつあることが感じられました。
