2025年体験会レポート(4日目)
2025年体験会レポート(4日目)
レポート(4日目)
突然の津波警報と思いがけない体験

後半の就業体験が始まりました!
早朝から快晴に恵まれ、心地よい空気の中で始まったこの日。参加者たちは前半2日間とは異なる牧場での就業体験に向けて出発しました。今年から新たに導入されたこの取り組みは、複数の牧場で働く経験を通じて、参加者に牧場の仕事を幅広く理解してもらい、その魅力や課題を肌で感じてもらうことを目的としています。

JRA日高育成牧場のご協力による講義
本日は、前日まで中島牧場で体験を行っていた女子参加者3名を事務局員が送迎し、谷川牧場での就業体験が始まった矢先の午前8時25分(日本時間)頃、突然事務局員や参加者のスマートフォンから警報音が鳴り響きました。ロシアのカムチャツカ半島周辺で巨大地震が発生し、浦河町を含む太平洋沿岸地域に津波警報が発令されたのです。その後、浦河町では「緊急安全確保(レベル5)」が発令されたことから、参加者の安全を最優先に就業体験は一時中止となりました。
突然の事態にも、参加者は慌てることなく事務局員の誘導に従って落ち着いて行動し、町が指定する緊急避難場所「うらかわ優駿ビレッジAERU」や牧場近くの高台へとそれぞれ避難しました。
午後になっても「緊急安全確保」の解除が見込めなかったため、JRA日高育成牧場の協力を得て、参加者は同牧場事務所に集合し、改めて全員の安全確認が行われました。その後、しばらく緊張感の漂う待機時間が続きましたが、日高育成牧場のご配慮により、急遽研修が実施されることとなりました。
まずは牧場が制作した「馬の一生」や「牧場の仕事」をテーマとしたVTRを視聴。映像の中では「馬の体重は500㎏前後」「馬仕事の一番の基礎は曳き馬」といった理解しやすくも重要なキーワードが次々と紹介され、参加者は熱心にメモを取りながら学びを深めていました。

緊張の面持ちでの母仔曳き馬体験
その後、厩舎から放牧地まで母仔2頭を連れて行く曳き馬体験が行われました。この時期の仔馬はまだ人に慣れていないため、未経験者には難しい作業ですが、日高育成牧場の職員による丁寧な指導のもと、2頭を曳く参加者の姿は、なかなか様になっていました。津波への不安が残る中でも、貴重な体験を通じて参加者の表情には次第に笑顔が見え始めました。
夕刻になっても「緊急安全確保」措置の解除は行われず、沿岸にある宿泊予定のホテルも利用できなくなったため、参加者たちは事務局が手配した日高育成牧場職員寮などの代替宿泊先へ移動し、この日の行程は終了となりました。突然の事態により行程への大きな変更が余儀なくされましたが、参加者全員が無事に過ごすことができたのは、迅速かつ的確な対応をいただいた受入牧場の皆様、そして待機場所の確保、急遽の研修や体験を快くご協力くださったJRA日高育成牧場の皆様のお力添えによるものです。
この場を借りて、改めて深く感謝申し上げます。
