2013 ビクトリーホースランチレポート
2013 ビクトリーホースランチレポート
ビクトリーホースランチ
アジア最大級の調教施設BTC(軽種馬育成調教センター)から近い場所に北海道の拠点を構え、生産から育成調教を行っているビクトリーホースランチ。こちらでは関東・関西から応募した2名の高校生男子が、体験参加者として汗を流しました。
主な体験メニューは馬の出し入れ、ブラッシング、厩舎清掃、寝わら上げ、ボロ拾い、飼い付けなど。繁殖・育成両方の部門がある牧場なので、厩舎作業中は繁殖牝馬、当歳馬、1歳馬のほか、デビュー前の2歳馬も目の当たりにすることができました。
ここで調教を積む2歳馬を彷彿とさせるように、参加者は育ち盛りの10代男子とあって、力仕事も元気良くこなしていました。スタッフの方と呼吸を合わせて大きなロールを運んだり、ホックで寝わらを大づかみに運んだり、仕事に励む姿は精力的でした。ダイナミックな動きを求められる場面がある一方で、細かな感覚を求められる場面もあり、特に、寝わら上げでは微妙な力のさじ加減の判断に骨を折りました。「ホックで寝わらを持った時の軽い感じ・重い感じが意外とわかりにくかった」、「ボロの臭いが強いし、ずっと腰を利かせるような姿勢になるので、キツイ仕事だと思いました」と、彼らは苦笑いを浮かべながらも、徐々に上達を見せていました。
馬を引く体験では比較的大人しい繁殖牝馬を担当し、厩舎～放牧地間を歩きました。競馬場のパドックで見る光景のように、スマートに馬を引くことをイメージしながらも、そう容易く馬が従うとは限りません。馬を引っ張るように歩くのではなく、歩調を合わせてリードするよう心がけながら、目的の場所へと進みました。少し緊張しながらも無事にやり終えると、「馬の肩あたりの位置で歩くことを意識しました」、「素直に指示を聞いてくれて、少し自信になりました」と、はつらつとした表情で感想を話してくれました。
参加者の体験指導に携わったビクトリーホースランチ・繁殖スタッフの森美樹さんは、
「はじめは緊張していたようですが、徐々に牧場の雰囲気に打ち解けて、終わる頃には程よく肩の力が抜けていました。どんな仕事も前向きに取り組んでいましたし、内容についてもよく理解していたと思います。こちらも十分注意していましたが、人馬のヒヤっとするような場面もありませんでした。牧場では馬だけではなく、人とのコミュニケーションも大事です。恥ずかしがらず、誰に対しても元気良く挨拶ができるようになれば、更に良いと思います。彼らはまだ高校生で、時間は十分あるでしょう。今回の体験のことも踏まえて、焦らずに将来の判断をして欲しいと思います。」
と、アドバイスを送っていました。