2024年体験会レポート(3日目)
2024年体験会レポート(3日目)
レポート(3日目)
好天の下、就業体験もより実践的に

ブラシ掛けを初体験
職業体験2日目は、昨日の雨も止み就業体験には最適の晴天となりました。
浦河町西幌別にある(有)ビクトリーホースランチは、生産から育成までを行う総合牧場で、またオーナーブリーダーとしても活躍している牧場です。オーナーブリーダーとは、生産者あるいは生産牧場が馬主資格を取得し、自らが生産した馬を競走馬として走らせること、すなわち馬主兼生産者になります。
牧場には600mウッドチップトラック、ウォーキングマシーン、練習用ゲートといった、育成牧場としての設備もありますが、さらに、所有する馬運車で近隣にある世界有数の競走馬育成施設「軽種馬育成調教センター(BTC)」で育成調教を行っている牧場でもあります。
ビクトリーホースランチでは、牧場や馬関係の仕事を目指している16歳から17歳の高校2年生5人、高校3年生1人の女性6人が2組に分かれて就業体験を行いました。
本日は、「馬に関わる仕事をしたいため、必要な好きなスキルなどを学びたい」、「牧場で働きたいと考えていますが、体験会の経験を通して自分の将来をもう一度考えてみたい」、「競走馬をはじめとした馬に関する仕事に興味があり、進路を考えるうえで自分の視野を広げたい」という参加動機の高校2年生の3人組をレポートします。
午前中は馬のブラッシングを体験。ブラッシングも他の作業と同様にコツが必要な作業ということで、まずは牧場スタッフの方々からブラッシングのコツの説明がありました。とはいっても、馬にも個性があるのと同様にそれぞれの馬によってコツも異なっており、各馬のアドバイスを受ける形で実践しました。

牧場スタッフの方から貴重なお話が聞けました
次に、牧場スタッフの先輩から馬業界に関する講話がありました。牧場関係者の方から直接聞く話は、牧場就業を目指す参加者にとっても、体験会に参加したからこその貴重な機会になります。
競走馬の牧場の仕事では、ただ馬の世話や調教を行うのではなく、「妊娠した母馬や出産後の母仔管理では、どのような点に注意するのか」、「どのような初期・中期育成を行うのか」、「デビューに向けてどんな調教を行っていくのか」など、仔馬として産まれて競走馬としてデビューするまでの流れを知っておくことも重要になります。
こうしたことを知っておくことで、自分が担当する仕事はもちろん、他のスタッフの役割の重要性も理解できます。
牧場では、それぞれの部門や担当のなかで、各スタッフがプロフェッショナルとして、自分たちの作業に真剣に取り組んでいるという話を、参加者は神妙な面持ちで聞いていましたが、この講話は将来を検討するうえでも良い機会になったのではないでしょうか。

仔馬を曳く参加者
続いては、浦河町上杵臼にある笹島智則牧場です。
小規模ながら生産・育成を行っており、代表者の笹島智則さんはBTCの「育成調教技術者養成研修」を修了した後、牧場勤務を経て牧場経営者となったバイタリティーに溢れた方です。 将来牧場で働きたい若者に一人でも多く牧場就業して欲しいという思いから、2021年の体験会から参加者の就業体験を引き受けていただいています。
笹島智則牧場で就業体験を行うのは、「畜産や動物について学んでおり、将来の職業選択時に役立つ貴重な経験をしたい」という高校2年生、「将来、競走馬の育成の仕事に携わりたい」という高校3年生、「馬に関わる仕事に就くための馬に対する接し方、考え方を知りたい」という高校3年生の男性3人です。
笹島さんからアドバイスをいただきながら、ゆっくり母馬の後について行く形で、仔馬の曳き馬を体験させてもらいました。就業体験2日目ということもあって、落ち着いて仔馬を曳く参加者の姿を確認できましたが、仔馬や周囲の状況にも注意を払って、しっかりとした足取りで馬を曳くその姿は、頼もしく見えました。

「Hey MASAO(ヘイマサオ)」に試乗!
続いての体験は、「Hey MASAO(ヘイマサオ)」という乗用草刈り機を使用した草刈りです。
ゴーカートくらいの大きさの草刈り機ですが、操作方法を理解しないと危険であることから、まずは笹島さんが操作の実演。その後、1人ずつ乗車をしながら操作方法を教えてもらいます。 前進したり後進したり、また折り返して戻ってきたりと基本的な操作を体験していました。本格的な草刈り作業は明日からのようで、参加者は今から明日の作業が楽しみのようです。
競走馬の牧場では、母馬や仔馬の世話だけが仕事ではありません。放牧地などの草刈りはもちろん、牧柵や馬房設備の修理、ブラシなどの道具の手入れといったことも大切な仕事であることを、体験を通して知る良い機会なったのではないでしょうか。
17時に就業体験が終了し、ホテルに戻って夕食となりました。天気が良かった就業体験2日目は、雨模様であった昨日と異なって牧場での仕事を数多く体験したこともあって、若い参加者にも少し疲れが見えるように感じましたが、「今日はどんな作業をした」、「この作業が大変だった」など、それぞれの就業体験の話をしながら、就業体験最終日となる明日に備えていました。