2011 ビクトリーホースランチレポート
2011 ビクトリーホースランチレポート
ビクトリーホースランチ
ビクトリーホースランチは、馬主さんから馬を預かり、競走馬として育てていくことを仕事とする育成牧場です。場主の荻野豊さんは、ヤエノムテキやブライトサンディー、ポジーなど多くの活躍馬を手がけた故荻野光男調教師の次男。学生時代から馬術に勤しみ、大学卒業後は本州の育成場で勤務していた経緯があります。BTC軽種馬育成調教センターが開場した平成5年にビクトリーホースランチを本格稼働させましたが、2005年からは生産事業にも着手。第2期生からステラリード(函館2歳S)を送り出すなど幅広く活躍しています。ここでは中学3年から高校2年生までの男子3人がお世話になりました。
ここでもまずは馬に慣れること。そして、厩舎作業が行なわれました。3人一組になって1つの馬房を掃除し、午前中で3つの馬房をきれいにするのですが「牧場の人たちは自分たちの3人分以上の仕事をする。すごいな」というのは実感かもしれません。それでも、「埃がすごくてくしゃみが止まらない」という参加者や「初日だけで手にマメができてしまった」と顔をしかめながらも「大変な作業ですけど、馬が気持ちよく過ごせるためには必要なこと」と懸命に作業をこなします。その後、汚れた寝藁を堆肥場へ捨てにいくのですが、これも見るとするのでは大きな違い。ずっしりと水分を吸い込んだ寝藁を載せた手押し車は、なかなか前へ進まないうえに、積み方のバランスを考えないと途中で倒れてしまいます。そして、馬運車の掃除、パドックのボロ拾い、水桶の清掃が終われば馬の手入れです。なかにはブラッシングを嫌がる馬もいて、参加者たちを戸惑わせます。それでも戸惑いながらの作業を終えると「馬の方から擦り寄ってくれたりしました。すごく嬉しかった」と充実の1日を振りかえった。
ビクトリーホースランチの荻野豊さんは「馬に乗りたい、ジョッキーになりたいという参加者もいたのですが、馬主さんからお預かりしている大切な馬を実習馬にするわけにはいきませんので厩舎作業をしてもらいました。思った以上に、というと失礼かもしれませんが、派手ではない厩舎作業を黙々とこなしてくれて、またその内容も日を追うごとに上達していました。とても心強く思いました」とエールを送った。