2011 まるとみ冨岡牧場レポート
2011 まるとみ冨岡牧場レポート
まるとみ冨岡牧場
まるとみ冨岡牧場には3人の高校生を受け入れてもらいました。スプリングSに勝ち、種牡馬としても重賞勝馬を出したメジロゲッコウやマイラーズCに勝った名牝ユキノローズなどの生産牧場として知られ、南関東の重賞を勝ってJBCスプリントで1番人気になったハタノアドニスも同牧場の生産です。また、場主の冨岡秀信さんはご自身もほかの牧場で働いた経験を持っていることから、快く体験参加者を受け入れていただきました。
こちらの牧場でも厩舎の掃除から仕事がスタートします。放牧された馬が戻ってくるまでに寝藁を干して、そして必要に応じて足しながら、馬が快適に過ごせるように環境を整えます。初めて経験する作業と写真では伝わりにくい「におい」が参加者たちをと惑わせます。それでも「腕や腰がパンパン」といいながらも「においだけでは馬を嫌いになれない」と頑張ります。それが終わると、放牧地のボロ拾い。広い放牧地に落ちているボロを拾い集める作業です。ボロをそのまま放置しますと、土壌が酸性化し土のためにも生えてくる草のためにもよくありません。馬が、快適に放牧地で過ごせるようにもボロ拾いは重要な仕事なのです。ところが、これは頭で考えるほど楽ではありません。水分が多い馬のボロは考える以上に重く、また放牧地のあちらこちらにたくさんあります。それを拾い集めて捨てるのです。
そして午後は集牧とブラッシング。「馬を初めて引く」という参加者も徐々に慣れている様子です。その後はブラッシングで馬とのコミュニケーションを深めます。ブラッシングには馬の汚れを取るという意味もありますが、人間に対して安心感を持ってもらうという意味もあります。臆病で、猜疑心の強い馬でも毎日人間と触れ合うことで恐怖心を取り除く、大切な作業なのです。
冨岡秀信さんは「慣れない作業だったと思いますが、3人とも一生懸命働いてくれました。牧場体験の受け入れは初めてでしたが、参加者の皆さんの意識の高さに、逆にこちらも刺激を受けました。生産地は若い働き手が少なく、困っている牧場が多い現状です。このように全国から馬の仕事に興味を持って来てくれることは嬉しく思いますし、牧場体験は有意義な取り組みだと思います。夢だけではやっていけない仕事ですし、牧場体験を通じて、現実とのギャップを掴んで欲しいです。楽しさだけじゃなく、厳しさも知らないと続けられませんしね。1頭の馬には沢山の人が関わっていて、1勝する大変さや喜びを少しでも伝えられたらと思いました。」