2018 体験会レポート(3日目)
2018 体験会レポート(3日目)
レポート(3日目)
各牧場に泊まりで仕事体験
あわただしく1日が過ぎて牧場での初めての夜は、ある意味でもっとも牧場の個性が出るところかもしれません。さながら社員食堂のような夕食もあれば、家族や牧場スタッフと卓を囲む牧場もあります。前日の夜は見知らぬ土地とこれからスタートする体験会を思うあまりになかなか寝付けなかったであろう参加者ですが、この日は心地よい疲れに前夜の寝不足も手伝ってぐっすりと眠れたことでしょう。
牧場の朝は早く、概ね午前5時スタートです。
新ひだか町の㈲グランド牧場は1927年創業という老舗の牧場です。北海道内外に複数の牧場を所有し、生産から育成、休養までを担う総合牧場です。天皇賞・春に優勝したスズカマンボ、最優秀ダート馬サンビスタ、あるいはNAR年度代表馬ヒガシウィルウィン、ラブミーチャンなどを送り出しています。
ここでは男子高校生3人が牧場の仕事を体験させてもらいました。前日は施設見学と厩舎作業。
2日目は、参加者3人でひと棟の厩舎掃除、馬房掃除を任されました。お互いにコミュニケーションを取りながら作業を進めます。乗馬クラブで馬房掃除の経験があるという参加者もいましたが「道具が違うので使い方も分かりませんでしたが、ていねいに教えてもらいました」「見るのとやるのでは大違い」「スタッフの方々の動きにびっくり」と感想はさまざまでしたが、仕事をやり遂げた充実感で表情は生き生きとしています。
厩舎作業の合間には育成部門の見学や、実際に大人しい繁殖牝馬に触れて馬の扱いなどを学ばせてもらいました。「サラブレッドが、たくさんの人によって育てられて競馬場で走ることを知りました」とは総合牧場での体験ならではの感想だったのかもしれません。
同じく新ひだか町の㈲岡田牧場も1935年創業と有数の歴史を持つ生産牧場で、代表の岡田隆寛さんは育成牧場と、種牡馬を繋養する㈲アロースタッドの代表も兼務しています。ここでは高校3年生と、前年に高校を卒業した18歳の男性2人が実際に繁殖牝馬の手入れなども経験させてもらいました。
繁殖牝馬と育成馬で馬房の敷き藁が異なることや、育成馬の馬房掃除は馬が調教を終えて帰ってくるまでに終わらせなければならないことも知りました。馬の飼い葉を用意したり、水がたっぷりと入った水桶や乾燥牧草をそれぞれの馬房に用意したりしなければなりません。牧場の仕事というと、ゆったりと流れる時間の中でのんびりとするイメージがあるかもしれませんが、実際の現場では時間に追われるように次から次へとやることがあります。
体力不足を嫌と言うほど思い知らされながらも「いろいろな経験をさせてもらいました。2泊3日という限られた時間では短すぎるという印象を受けました。もっとたくさんのことを経験したかった」という参加者へのご褒美は㈲アロースタッドでの種牡馬見学でした。最近まで競馬場で走っていた馬もたくさんいて、興奮を隠し切れない様子でした。