2019 体験会レポート(5日目)
2019 体験会レポート(5日目)
レポート(5日目)
牧場体験と育成調教技術者養成研修
この日は軽種馬育成調教センターが行う「育成調教技術者研修」の体験入学会、そして施設見学からスタートします。この研修制度は。強い馬づくりのために、優れた騎乗者を養成し、また競走馬の育成について高い技術および深い知識を習得させることを目的とした1年間の研修制度です。
参加者は、同研修制度の一般体験入学者とともにカリキュラムを学び、そしてシミュレーターを使って騎乗スタイルの基礎などを学びます。シミュレーターは馬の動きやクビの強さなどを忠実に再現した乗馬マシンで、競馬学校の騎手課程などでも使用されているものです。ここで正しい騎乗姿勢などを学びます。
その後は施設見学。軽種馬育成調教センターが位置する日高育成牧場の総面積は約1,500ha。英国のニューマーケットや仏国のシャンティイなどと同等の大型育成調教場で、現在は多数の民間育成業者がこの施設を利用して強い馬づくりに励んでいます。ゴールドシップやカワカミプリンセス、今春のフェブラリーステークスを逃げ切ったインティやクイーンステークスを勝ったミッキーチャームなどもここで育成されています。
ここでは広大な草原を利用した直線2000㍍の芝馬場や全長1000㍍の屋内ウッドチップコース、1000㍍の坂路馬場はじめ、使用する用途にあわせて使い分けができる1600㍍と800㍍、600㍍のトラック馬場などが用意されています。そのスケールに圧倒されながらも、この場所で働くことに大きな夢も広がります。
昼食のあとは牧場見学。まず最初に訪れたのは新冠町にある(有)ビッグレッドファームです。日高管内に5つの牧場を構え、また美浦トレーニング・センターからほど近い茨城県に調教場を持つこの牧場は、生産から育成、そして競走馬の休養なども行う一方で、種牡馬8頭を繋養する日本有数の総合牧場です。ここでは屋根付き1100㍍の坂路コースなどの牧場施設や、種牡馬として活躍中のゴールドシップやダノンバラード、ジョーカプチーノなどを見学させてもらいました。
その後は日本軽種馬協会静内種馬場で、同協会が所有する凱旋門賞優勝馬バゴ(FR)や欧州チャンピオンマイラーとなったマクフィ(GB)、あるいは米国ベルモントS優勝のクリエイターⅡ(USA)など優秀な種牡馬を見学させてもらったり、普段なら入ることが出来ない種付場、あるいは同協会が運営する「軽種馬生産技術総合研修センター」も見学させてもらいました。ここは強い馬づくりのため獣医師や装蹄師、栄養管理技術者などが臨床データなどを持ち寄り、交流を深めながらお互いを高めるために利用する施設です。
他にも「生産育成技術者研修」で利用する施設なども見学させてもらいました。「日本軽種馬協会のこの研修制度には興味があったので、施設を見学することが出来てよかった。イメージを固めることが出来ました」という参加者や「いろいろな立場の方から話を聞くことができたので、進路を決める上では大変参考になりました」と好評をいただきました。
そして、この日の夜は、同研修制度の養成担当者、あるいは先輩研修生との夕食、屋外バーベキューが用意されていました。体験会初日の夕食会では、何を話して良いのか戸惑っていた参加者たちも、ひと通りの実習を終えたあとだけに「牧場での仕事」に対するイメージも固まりつつあったようです。バーベキューという開放的な気分も手伝って、具体的な内容にまで会話が弾んだようです。