繁殖と育成では馬も仕事内容も全然違うのでとても面白く充実しています。
生産担当 吉野 貴裕さん
埼玉県立入間向陽高等学校卒業
坂東牧場(日高町)勤務
私が勤めている坂東牧場は競走馬の生産から育成まで行う総合牧場です。
去年の4月に就職して繁殖部門に配属となり、繁殖牝馬と当歳の管理、放牧、集牧、手入れや馬房掃除などの仕事を教えてもらいながら覚えました。
お産シーズンでしたのでお産当番にもつきました。お産当番は出産が近い繁殖牝馬を夜の8時から朝4時まで見守るのですが、いつ生まれるかわからないので気が抜けません。でもふとした瞬間に眠気が襲ってくるので大変でした。
10月からは育成部門へ異動になり根矢厩舎のスタッフとして働いています。坂東牧場の育成トレーニングセンターには全天候型の屋根付ダートコースや屋根付坂路コースが完備されていて、充実した環境で牧場の所有馬や預託馬の育成調教を行っています。
仕事は毎朝5時に出勤して先ず育成馬に飼い葉つけ、水やりをします。その後検温をしてからパドックに馬を放します。それからウォーキングマシーンに入れて騎乗トレーニングに入る前の準備運動をさせます。
その他は飼い葉作りや馬房あげ、馬の手入れや厩舎の廊下を掃いたりするなどの作業をしています。
父が競馬好きだったので子供のころから競馬場に連れて行ってもらっていました。その時に観た競馬が子供ながらにとても面白くて競馬が好きになったんです。
中学生になってからは「将来は好きな競馬関係の仕事に就きたい」と漠然とですが思っていました。
そして高校1年の時、東京競馬場で開催されていたBOKUJOBフェアに行き色々な牧場の話を聞いて「牧場で働いてみたい」と言うはっきりとした目標を持ちました。
この時興味を持った坂東牧場へ高校2年生の夏休みにインターンシップで1週間滞在させてもらい、高校3年生の時も2週間牧場体験させてもらったのが縁で、BOKUJOB経由で就職することになりました。
繁殖厩舎で周りのスタッフに教えてもらいながら初めて仔馬の脚を無我夢中で引っ張って出産を手伝い、無事に生まれた時は感動しました。あの体験で人生観が変わりました。
当歳はとても可愛いですよ!出産に立ち会った当歳が来年育成厩舎に来て、一段と大きくなった姿を見るのが楽しみです。
そして当牧場の生産馬や育成馬が競走馬となり出るレースを観るのも牧場就業ならではの醍醐味だと思います。
全く馬に触った事が無かったので不安はありました。馬は傍からみているだけと実際に触るのとでは感じる大きさがまるで違いますので・・。
でも繁殖牝馬を触らせてもらい色々教えて頂くうちに慣れて来ました。そして育成厩舎に異動になってまた驚きました。同じ馬でも育成馬はとても動きが早く、育成スタッフも仕事が手早くて常にスピードが求められるので、ついて行くのが大変でした。
育成厩舎は仕事の展開が早くスピードが求められるので先々を考えて積極的ながらも、迷惑をかけないよう、足を引っ張らないように気を付けて作業するように心がけています。
また、「馬を見る事が大事」と繁殖厩舎にいる頃から教えて頂いたので、手入れの時だけではなく飼い葉を付ける時や、水をかえる時でも怪我はないか、変わった様子はないか等、馬の様子をちゃんと見るように心がけています。
馬全般の知識を深めて行きたいです。
脚が痛い馬が出たとしたら、その症状やどこの部位がどのように腫れているのかを、自分でも理解できるように何度も確かめて覚えて行こうと思っています。
繁殖と育成では馬も仕事内容も全然違うのでとても面白く充実しています。
今は育成厩舎で経験を積ませてもらっていますが、元々繁殖に興味があったのでいつかはまた繁殖の仕事に携われたらと思っています。
坂東牧場に就職して実際に馬に触って、その馬が競馬に出るんだと考えるとそのスケールの大きさに感動する毎日です。
もし牧場や馬に興味があるけど悩んでいる方がいらっしゃるなら、一度BOKUJOBで話を聞いたり牧場体験してみる事をお勧めします。馬が好きなら何かのきっかけになるかも知れませんよ。
私のoffStyle
今はプライベートも馬一筋です。