馬体をよく見ることができ、異変にも気づけて、より強い馬をつくるにはどうすれば良いかを考えられるホースマンになりたい。
生産担当 山崎 和紀さん
JBBA生産育成技術者研修卒業生
ノーザンファーム早来(安平町)勤務
馬体をよく見ることができ、異変にも気づけて、より強い馬をつくるにはどうすれば良いかを考えられるホースマンになりたい。
生産担当 山崎 和紀さん
JBBA生産育成技術者研修卒業生
ノーザンファーム早来(安平町)勤務
ノーザンファームは年間800頭以上を生産し、育成や調教も行う総合牧場です。
私は入社1年目で繁殖部門に所属していて、朝6時30分が始業になります。今は夜間放牧をしているので集牧から始まり、馬房に戻して馬体チェックを行います。その後、獣医さんや装蹄師さんが厩舎に来て、診療や蹄のチェックがあります。その後、細かい作業を行い10時30分から昼休憩に入ります。午後は1時からで、まずは放牧を行い、馬房掃除、午後の診療、明日の準備などを行って5時に終業となります。また月1回程度、当番制で朝4時と、夜9時に飼い葉を与えに来ます。まだ入社1年目でお産シーズンを経験していないのですが、不安よりも楽しみの方が大きいです。JBBA研修時に分娩の研修が5日間あり、幸運にも初日にお産に立ち会えて、その仔馬の最初の5日間を見ることができました。馬生の最初に立ち会えたことは、繁殖部門に進む決め手となりました。
大学在学中に友人から競馬に誘われたのがきっかけです。それまで競馬はほとんど見ていなかったのですが、当時走っていたイクイノックスとメイケイエールを好きになりました。イクイノックスは馬体がどんどん完成していく姿、メイケイエールは気性的に難しい中で実力を発揮する姿を見て、ポテンシャルのある馬を活かすのは人の存在が重要だと感じ、自分も馬に携わる仕事に就きたいと思いました。ただ未経験で牧場に就職するより、まずは研修を受けたいと思い、生産から育成まで幅広く体験できるJBBAの研修を選びました。そこで引退競走馬のリトレーニングや乗馬の騎乗、厩舎作業はもちろん、草刈りなどの農事作業まで幅広く体験しました。研修時の休みは週1日で、2日に1回は夜飼い当番、平日は毎日レポート提出があったので大変な毎日を過ごしましたが、体力がつきましたし、様々な作業を覚えることができたので、就職後もスムーズに仕事に入れました。
やっぱり馬に触れている時が一番楽しいです。JBBAで1年間研修してきたこともあり、入社してひと月ほどで2頭曳きをさせてもらえたのですが、当歳と繁殖だと難しくて最初は上手くできませんでした。仔馬って前に行かないことが多くて歩かせるのが難しいんです。それでも経験を重ねて、先輩からアドバイスをいただいたりして段々と歩かせられるようになると嬉しかったですね。そしてこの歩かせることの一つの到達点がセリだと思うんです。実際に今年のセレクトセールを見学して、会場で先輩たちが仔馬を歩かせたり立たせたりする姿は勉強になりました。大きな金額が動く場所ですし、そこに向けて仕事ができるというのは醍醐味だと思います。
仔馬はまだ体質がしっかりしていないので、病気や怪我をすることがありますし、飼い葉をあまり食べない仔もいたりして、様々な知識が必要だと身に染みて感じています。獣医さんがお医者さんなら自分たちは看護師だと思うことがあって、異変に気付いたり、獣医さんとコミュニケーションをとったりと、今の自分にとって新しい経験が多いので、それらを覚えていくことが大変です。
入社してまず先輩から言われたことですが、「馬も人もまずは安全が第一」ということです。2頭曳きの時もそうですが、2人で仔馬とお母さん馬を曳く時に、お母さん馬の後ろ脚が仔馬を曳いている人の方に向かないように気をつけたり、あとは削蹄などで仔馬を立たせる時に、前に出してしまって装蹄師さんに馬の脚が向いてしまう時があったりと、まだまだ自分でも気づかずに人に指摘されることがあるので、常に細心の注意を払うようにしています。
今の理想は、馬体をよく見ることができ、異変にもすぐに気づけて、より強い馬をつくるにはどうしたら良いかを考えられるホースマンになることです。身近にそういう先輩がたくさんいるので自分も目指したいです。その結果として自分が携わった馬がG1レースに勝ったら嬉しいですね。
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