馬にはできるだけ気持ちよく過ごしてもらいたい。
当たり前の事を当たり前にできるようになりたいです。
生産担当 山口 瑛士さん
北海道札幌琴似工業高等学校卒業 電気系技術職に勤務
坂東牧場繁殖部門(日高町)勤務 ![]()

馬にはできるだけ気持ちよく過ごしてもらいたい。
当たり前の事を当たり前にできるようになりたいです。
生産担当 山口 瑛士さん
北海道札幌琴似工業高等学校卒業 電気系技術職に勤務
坂東牧場繁殖部門(日高町)勤務 ![]()

坂東牧場は、生産から育成までを手掛ける総合牧場で、私は繁殖部門に所属しています。
今いる厩舎では、空胎の繁殖牝馬が入ってきて春に種付けをし、出産が近づいてお産する厩舎に送り出すまでを管理しています。今(11月末)は午前6時に始業となり、夜間放牧している馬を集牧し、飼い葉をつけて手入れをします。そして9時30分には放牧に出して馬房掃除を行います。11時に午前の作業を終了し、午後は1時に再開。舎飼いの馬たちの手入れを行い、飼い葉作りなどをして午後4時に終業となります。また種付けが近くなると、直検といって獣医さんが妊娠前後の繁殖牝馬の子宮内を確認する作業が朝5時から始まるので、始業時間が早くなります。もちろん種付けで種馬場に同行もします。あとは例外ですが、前職で配電盤を組み立てる仕事をしていたので、その技術を活かして牧場の設備修理なども行っています。牧場での仕事は馬を扱うだけではなく、様々な作業があるので、意外と自分の持っているスキルを活かせています。
前職で行き詰まりを感じて、自分が何をしたいのかと考えた時に、若いうちに自分の好きな事を仕事にしてみようと思ったことがきっかけです。ゲームの「ウマ娘」を通じて競馬に興味を持ち、2021年の天皇賞・秋を勝ったエフフォーリアと横山武史騎手のかっこいい姿を観て、のめり込んでいきました。自分が携わった馬がGⅠのような舞台で勝つ姿を見たいと思い、生産牧場で働くことを決めました。中途での入社になるのでBOKUJOBサイトで自分が働ける条件の牧場を探しながら、友人にカメラマンがいて坂東牧場とつながりがあったことから、坂東牧場のインターンシップを受けました。1週間体験してみて、前職は手先を動かす仕事でしたが、牧場では体全体を使うので体力面の負担を感じました。ただ馬は良いなと改めて感じ、純粋にこの馬たちの世話をしたいという思いが強くなり、入社を決めました。働き初めの1ヵ月ほどは、やはり筋肉痛が続きましたが、体が慣れてからは問題ないです。時期によって仕事内容も変わるので慣れるのに少し時間がかかりましたが、今は大丈夫です。普段の生活も、以前は札幌に住んでいてコンビニに歩いて行けたのが車でしか行けなくなったりと、利便性は落ちますが、車の運転自体は好きで移動も楽しい時間にできるので苦にはならないです。雪もこちらの方が少ないですし、職場までの移動という点では、寮が牧場に隣接しているので、かなり楽になりました。入社して2年目ですが、坂東牧場は昔から働きやすい環境の整備を考えてくれていて、自分にとって働きやすいと感じますし、先輩からも環境が良くなっていると聞きます。

今の厩舎は繁殖牝馬が出産する前までの管理ですが、それでも、その馬の産駒がレースに出ると応援し甲斐があります。大きいレースに出たり勝ったりすると、その母馬を管理していることを光栄に思います。あとは単純に馬の手入れなどをしていて楽しいんです。馬によって手入れをしている時の反応が違って、触られて嫌な部分をブラッシングしようとしたら耳を絞ってきたりするので、最初は恐がっていたんです。ただ慣れてくると「ごめんね」とコミュニケーションをとりながら、サッと終わらせたりできるようになりました。そういう部分で自分の成長を感じています。
テンションが上がりやすい馬を引いて歩く時は、自分に未熟な部分が多いので大変です。また、飼い葉を作る際に様々な飼料を配合していくのですが、最初の頃は余裕がなくて分量を間違えてしまったりしました。馬との距離が分からずに足を踏まれて怪我をしたこともありました。
生き物を扱っているので思い通りにいかない事があるのですが、イライラしても馬に対しては感情的にならないようにしています。当たり前のことだけど、この当たり前をちゃんとできるように心がけています。馬にはできるだけ気持ちよく過ごしてもらいたいと考えているので、手入れをするにしても馬の気持ちを大事にしたいです。あとは安全面を考えて、馬との距離感も間違えないように心がけています。

今はまだ出産に携わっていませんが、今後は自分が出産に関わった仔馬がGⅠレースを勝つ喜びを味わいたいです。ただそれを最終地点にすると、到達した時にモチベーションが無くなる気がするので、どの仔馬でもそういう喜びを味わえるように頑張りたいです。そのためにも今の仕事をしっかりできるようになって、一歩一歩成長していきたいです。
私のoffStyle