馬取扱技能職の試験に再びチャレンジしたいです。
育成担当 内田 優志さん
共栄大学卒業
騎乗スタッフ担当 株式会社エクワインレーシング(むかわ町)勤務
私の勤務しているエクワインレーシングは競走馬の育成牧場です。代表を務める瀬瀬(賢)のほかもう1人獣医師が常駐しており、育成馬や休養馬に何かアクシデントがあってもすぐに対応できます。また、心拍数や乳酸値の計測といった科学的なメソッドも取り入れた管理も行っており、私を含めた11名のスタッフで行っています。
現在(9月中旬)は朝の5時半が始業時間となっています。管理馬の検温や馬体チェックのあとは、ウォーキングマシンで予備運動をさせながら、平行する形で空いた馬房の掃除を行います。
騎乗調教は6時半から始まります。自分は11時半まで6鞍に騎乗していますが、秋シーズンが深まると、他の生産牧場から来た馬たちの馴致も行います。午前の仕事が終わるのは12時半です。昼休みをはさんで、午後の仕事は13時半からですが、今の時期だと1歳馬の馴致も行います。その後は馬体の再チェックと明日の仕事の準備をして、終業時間は16時となります。
小学校の頃から地元にある函館競馬場の乗馬センターに通い始め、それは中学、高校、大学生になっても続けていました。そんなときに乗馬の指導をしていただいていたJRAの馬取扱技能職の方から、「乗馬を続けるのならば、この資格を受けてみてはどうか?」と言われました。
大学では教員免許も取得しており、教員になろうと思った時期もあったのですが、その言葉に突き動かされる形でJRAの試験を受けました。その時に「あなたは育成馬に騎乗できますか?」と言われた際に、経験が無かったこともあったのですが、返す言葉が思い浮かびませんでした。
結果として馬取扱技能職の試験は落ちてしまったのですが、再チャレンジをしようと思った時に、育成馬にも乗ってみたいと考えるようになりました。エクワインレーシングには乗馬センターの先輩がいたこともありますが、この牧場ならば技術だけでなく、獣医師の観点からも馬に関することを色々と学べる場所だと思いました。
乗り慣らしから移動まで、ずっと乗り続けてきた馬(ホープホワイト号)がデビューを果たしただけでなく、その新馬戦を勝ってくれたことです。
早い段階から高い能力を持っていると思い続けてきた馬であり、先輩から「いい馬だね」と言ってもらえたことも嬉しかったです。レースの日は休みをもらって、福島競馬場まで応援に出かけたのですが、目の前で勝ってくれたことはとても興奮しました。この馬は、その後、重賞(小倉2歳S)にも出走してくれましたし、まだまだ活躍してもらいたいと思います。
入社して2年目になるのですが、馬の馴致自体を知らなかったので、初めて鞍を乗せたときに、馬がこれほど嫌がるのだということに驚きましたし、その時に馬は怖いなとも思いました。調教でも最初の3ヶ月ほどは馬とのコミュニケーションが上手に取れなかったですし、脚(きゃく)反応に対するリアクションやハミの取り方など、乗馬とは全く違うなとも思い知らされました。
ここで働いてみて、改めて馴致の重要性を知りました。どのようなやり方が、馬にとってもっとも理解しやすいのかを考えて、馬ごとに方法を変えるようにもしています。また、騎乗した感覚だけでなく、手入れや馬体チェックなどで馬体を触りながら、様々な問題点を早い時期に気づけるようにもなりたいと思います。
まだ、全ての馬を乗りこなせるわけではないのですが、育成だけでなく乗馬の技術も更に高めながら、馴致が始まった1歳馬を1頭でも多く騎乗していきたいです。
馬取扱技能職の試験に再びチャレンジしたいです。ゆくゆくは競走馬のリトレーニングができるようになればとも思いますし、その意味ではここで競走馬に携われるだけでなく、瀬瀬代表から獣医学を学べるのはとてもいい経験ともなっています。
治療やミーティングなどで瀬瀬代表と話す際には、気付いたことを伝えるようにしていますし、その他にも様々な質問をさせてもらっています。その中で自分でも対応出来るようなアクシデントが見つかった時には、獣医師の指示をあおいだ上で、迅速な対応をしていきたいとも思います。
私のoffStyle
この仕事や馬に対する見聞を広げていくのが好きです。
今は、この仕事や馬に対する見聞を広げていくのが好きです。自宅に戻ったあとでも馬の医学書を眺めるのが、ストレスの発散になっています。それでも趣味があまりにも無いのもどうかと思った時に、たまたま覗いた音楽教室で練習用のフルートを貸し出しているのを見て、興味がわいています(笑)。今後は馬の世界でも更に国際交流も進んでいくと思うので、TOEICの勉強もしていきたいですね。