馬の目や顔や行動を観察して、変化や違いに気が付けるようにしています。
その他 武田 尚悟さん
酪農学園大学 獣医学部獣医学科卒
(株)ひだかC.L.C勤務(獣医師)
私は(株)ひだかC.L.Cという会社で、競走馬を診察する獣医師の仕事をしています。主には繁殖牝馬の診察やお産に関わる事、内科(消化器、呼吸器、肺炎)、外科(ケガ)、その他、依頼があれば臨機応変に対応します。普段は朝7時位から往診に出かけますが、馬の繁殖シーズンにあたる2~7月くらいまでは、出産に関して急を要する連絡が多くなりますので、融通を利かせ、順応性、柔軟性を持って対応しています。人間の場合と異なり、馬はすべて往診ですので現場に行ってから足りないものが無いように、普段からあらゆる事を想定しながら準備を整えて車に積んででかけます。門別から東静内辺りまでを往診の範囲にしていますので、行動範囲は3-40㌔ほどでしょうか。忙しいときには一日20件くらい牧場をまわります。馬の生命に関するような連絡が入ったら、時間を問わず夜中でも駆け付けています。
動物が好きで、特に産業動物に興味がありましたので獣医師を志しました。大学4年の頃から学校の授業だけではなく、自ら日本全国を周って医療の現場で実習経験を積んで勉強して来ました。その中で(株)ひだかC.L.Cでも実習をさせてもらい、最終的に就職しました。
やはり怪我や病気をした馬の治療がうまくいって、元気になってくれたときでしょうか。人間の場合もそうでしょうが、医者は治して当たり前。治療したにもかかわらず、それが結果に結びつかない場合もあります。その反面、元気になってくれたら、とても嬉しいです。治療は、獣医師だけの力ではなく、牧場スタッフの協力も大事ですから、一緒に喜びを分かち合えます。治療した馬のオーナーが喜んでくれるのも嬉しいですし、感謝されると仕事に対する喜びを味わえます。達成感がある仕事だと思います。
医療に関わる仕事ですから、時間で区切ることはできません。牧場間を往診で駆け回り、朝も昼も食事を取る時間が無いまま夜になることもありますし、帰宅後に連絡が入ることもあります。結果的に、1日に1度も食事をするタイミングがなかったこともあります。私は、食事が大好きなので、そういうときは悲しいですね(笑い)。車での移動距離は一日平均200キロ、忙しい時は300キロを超えることもあります。この仕事は知識や経験のほか、体力も必要だと思います。。
時として馬の生命や、そうでなくても競走生命に関わるような仕事ですから、当たり前のことですが一生懸命、全力で頑張る。集中して診察する、ほんの少しの変化や予兆を見逃さないこと。馬の目や顔や行動を観察して、変化や違いに気が付けるようにしています。「ちょっと普段と様子が違うのだけど」と連絡が来て、診察したのちに原因が早期発見できたら回復も早いですしね。あとは牧場のスタッフさんとのコミュニケーションの中で情報をもらう事が、治療や診察を行いうえで、とても重要です。
ひだかC.L.Cの代表でもある田原口先生は仕事に対して厳しい方ですが、私は尊敬している獣医師です。まだまだ未熟な自分ですが、いつの日か「任せた」と言ってもらえるようなくらいまで勉強したいし、会社も大きな組織にしたいです。
私のoffStyle
色々な事にチャレンジしてみたいです!