私にとってこの仕事は生活の一部。社長に言えばいつでも好きな時に休日をとらせてもらえるのですが、用事がある日以外は休みません。
生産担当 奈良 咲枝さん
東京都立東高等学校卒、JBBA生産育成技術者研修卒業生
赤石牧場(平取町)勤務
私にとってこの仕事は生活の一部。社長に言えばいつでも好きな時に休日をとらせてもらえるのですが、用事がある日以外は休みません。
生産担当 奈良 咲枝さん
東京都立東高等学校卒、JBBA生産育成技術者研修卒業生
赤石牧場(平取町)勤務
私が働いている(有)赤石牧場は競走馬の生産牧場です。
現在は8頭の繁殖牝馬と1歳馬3頭のほか、休養中の道営馬を預かっています。
また昨年は、牧柵を張り替えて夜間放牧をできるようにしたので、夏場は近隣の牧場さんから1歳馬を4頭お預かりしていました。
従業員は私1人なので、牧場業務を行うのは基本的に赤石社長と私の2人。ただ、社長は装蹄師としての仕事も多数抱えていますので、とくにホッカイドウ競馬の開催期間中は大忙し。社長不在の時は朝飼から集牧まで1人で行っています。
馬房掃除や飼い葉作りは毎日のことですが、春はお産や種付けに付き添いますし、夏は草刈りや牧草の収穫。冬はお産用の馬房に消毒用石灰を塗るなど、ありとあらゆる仕事をこなしています。いわば、牧場の何でも屋ですね。
季節によって時間は前後しますが、冬場はだいたい朝5時30分から仕事を始めます。
朝飼が終わって外が明るくなったら放牧。馬を放し終えたら、社長の奥様手作りのお弁当で朝食をとります。
小休憩を挟んで8時頃から寝藁あげと馬房の掃除。夕飼の準備が出来たら午前中の仕事は終わりです。
午後はその日によって違いますが、14時頃から水あげや夜飼の準備や雑務をこなします。
そして冬場は16時か17時に集牧。馬を洗って馬房に入れて、遅くても18時には仕事が終わります。
その後は午後8時には夜飼があるので、私の場合はそれまで休憩室で過ごすことが多いですね。
家は牧場の敷地内にあるのですぐに帰れるのですが、作業用の服に何度も着替えるのは面倒くさくて(笑)。
休憩室でゴロゴロしたり、社長と話をしているうちに夜飼の時間になります。
小さい頃から馬に乗ることが大好きで、JBBAの研修を終えた後の6年間は育成牧場で騎乗者として働いていました。
乗ってなんぼ、馬の上で死ぬんだという気持ちで選んだ職業でしたが、キャリアを積んでちょうど中間の立場になった時に、肉体的にも精神的にも疲れてしまって。馬に乗ることは今でも大好きですが、仕事に関しては少し考えたいな、と思ったんです。
そんな時に縁があって赤石社長と出会って、3年が経ちました。信頼していただいて、こうして仕事を任せていただけることが嬉しいです。
1人で作業することが多いので“大変だね”と言われますが、自分で段取りを決めて動けるのは楽。責任をもって仕事ができますし、やりがいも感じます。
休みの日でも馬のことが気になって、外出先から社長に「あの子どうですか、どうなりました?」って電話しちゃいますからね。
私にとってこの仕事は生活の一部。社長に言えばいつでも好きな時に休日をとらせてもらえるのですが、用事がある日以外は休みません。
物心ついた時から大きな動物が大好きな子供でした。
私自身は記憶がないのですが、2、3歳の頃に観光牧場でポニーの引馬に乗って以来、「馬、馬」しか言わなくなったそうです。
ただ、東京在住の私にとって乗馬はハードルの高い習い事。それでも、どうしても馬に乗りたくて、夏休みなどを利用して山梨の乗馬クラブに習いに行っていました。
保育所の頃から将来の夢は競馬のジョッキー。中学3年生の時にJRA競馬学校の騎手課程を受験しましたが、結果は不合格。
今思えば地方競馬の騎手という選択肢もあったのですが、その頃は知識も情報源も乏しくて、考えもしませんでした。
中学を卒業したら私自身はすぐにでも牧場で働きたかったのですが、親の強い薦めもあって都立高校に進学しました。
高校卒業後にJBBAの研修生となり、育成牧場勤務を経て現在に至ります。
現在、2歳3頭がホッカイドウ競馬の厩舎で調教中なのですが、その中の1頭は私が直接、調教師の先生にお勧めした馬なんです。
入厩後の順調な様子はときどき耳に入っていたのですが、昨年末、忘年会の席で先生にお会いした時に「とても良い子で、よく仕事しているな、って思ったわ」と言ってくださって。本当に嬉しかったですね。
育成牧場から生産牧場に移って、最初は当歳の触り方も全然わからなかったんです。1年目は社長の言うとおりに触っていただけでしたが、2年目からはそれぞれの馬の性格を読んで自分なりに工夫してきて。
そうしてやってきたことが無駄じゃなかった、間違っていなかったのかな、って励みになりました。
怒ってはいけないところで怒ってしまったり、怒るタイミングを間違えてしまうと大変です。
放牧する時に掴み損ねて当歳のアゴ髭を引っ張ってしまったら、次の日から掴ませてくれなくなったり。
馬というのは嫌なことをされたことや、嫌なことをした人間のことをよく覚えています。そうなると、また一から信頼関係を築いていかなければなりません。
自分のすることで馬の性格を歪めてしまう可能性もあり、そこは気を遣いますね。
社長の信頼を裏切るようなことは絶対にしたくないですね。
社長不在時にお客さんが見えられたら、対応するのは私1人ですから。馬の状態をしっかりと説明できるように、1頭1頭の性格や体調を把握するように心がけています。
一従業員としてではなく、牧場の看板を背負っているのだという気持ちです。
当面の目標は馬運車を運転できるようになることです。
1頭積みの小型サイズの馬運車なら運転できるのですが、うちの牧場にあるのは4頭積みも可能なロングの4トン車。練習はしているのですが、どうにも慣れません。
しかし、牧場の仕事を何でもこなせるようになりたいので、まずはそこをクリアしないと。
皆に信頼されて、頼ってもらえるオールマイティな人になりたいですね。
私のoffStyle
自分の乗馬をもって、放牧地で乗れるようにしたいです。