将来は実家の生産牧場を継ぎたいと考えています。父親が創業した牧場ですから、それを継いでGI勝馬を出したいですね。
育成担当 三村 駿さん
静内農業高校卒業
MAXトレーニングファーム(浦河町)勤務
将来は実家の生産牧場を継ぎたいと考えています。父親が創業した牧場ですから、それを継いでGI勝馬を出したいですね。
育成担当 三村 駿さん
静内農業高校卒業
MAXトレーニングファーム(浦河町)勤務
私が働くMAXトレーニングファームはまだ競走馬になる前の1歳馬を預かって競馬場に送り出すまでの馴致・育成と、せり市場に上場させる馬を預かってセリ用に仕上げるコンサイニングを行なっています。
時期によって大きく異なりますが、春から秋にかけてはコンサイナーとしての仕事がメインになり、秋からは翌年にデビューを控える1歳馬の馴致、育成が主になります。
11月の朝は5時半からスタートします。まずは馬を馬房から出すのですが、そのときに異常がないか確認して、出し終えたあとは馬房掃除をします。
現在、1歳馬のほかに預託している繁殖牝馬や乗用馬の馴致も含めると全部で19頭いますので、これらの仕事が終わるのはだいたい7時半くらいになります。
それから9時くらいまでが朝食を含めた休憩になります。
9時からは乗り運動ができる1歳馬の調教をスタートさせます。時期によってもだいぶ違いますが、午前中いっぱいは、すでに騎乗できるようになった馬の運動ですね。
午後は馴致と手入れです。1時半くらいから5時くらいまででしょうか。
馴致というのはまだ何も知らない馬に、人間の指示を理解、そして乗れるようにすることです。もちろん、最初は抵抗しますが、競走馬としての第1歩を教え込むという充実感のある仕事です。
最後は手入れです。手入れといっても、馬とコミュニケーションをとる大切な時間です。
私の実家は生産牧場で、将来は家を継ぎたいと考えています。
これからの時代を考えたときに単に馬を生産するだけでは厳しいだろうと思い、馴致を含めた馬の仕上げ(コンサイニング)を勉強したかったというのがきっかけです。
MAXトレーニングファームは卒業するとき、学校の馬術部の先生に卒業生の日高育成牧場の方や宮内牧場の方に紹介されました。
実家の牧場では騎乗馴致は必要としませんが、実家とは違う環境で、技術者の方からいろいろなことを学びたかったので日々充実しています。ここに来て良かったと思っています。
まだ覚えることばっかりで大変といえば大変ですけど、楽しいです。
4月から働き始めたばかりで経験はまだ少ないですけど、7月のセレクションセール、8月のサマーセール、9月のオータムセールすべてを経験させてもらいました。
せりで馬が売れたときは嬉しかったですね。1歳馬のコンサイニングというのは騎乗馴致とはまったく違う苦労と充実感があります。
今年の例で言えば、市場用に預かった1歳馬で、とても気性が強く、人間に触られることに慣れていない馬がいました。
正直いえば、最後まで完全にコミュニケーションが取れていたとはいえなかったですが、ロンギングとブラッシング、曳き運動という日々の積み重ねの中で上下関係を教え込みながら市場に上場して、売却することができました。
その馬が売れたときは、良血馬を高額で売るのとは違う意味で嬉しかったです。
ちいさな失敗はたくさんありますよ。馬から落ちたこともありますし、社長の目からみたら物足りないことだらけだと思います。
ここで馬を育てる、ということは自分が今まで乗馬クラブや学校の馬術部でやってきたこととはまったく違いますので、学ぶことだらけです。
失敗しながら学ぶということを大変だといえば大変なことかもしれませんが、それを大変だとは思わないです。
自分はまだ偉そうなことをいえる立場ではないので、ひとつひとつの仕事を正確に、そして早く終わらせることを心がけています。そうすれば、その分だけ違う仕事もできます。
あと、少人数の牧場ですから、自分自身がケガや病気で休まないように、そして馬にケガをさせないように心かげています。
今はまで勉強中の身ですからいつになるかはわかりませんが、将来的には実家に戻るつもりです。
ここでたずさわった馬に関しては、乗った馬も、コンサイニングした馬もどちらも無事に競馬場で走って欲しいです。
もちろん、活躍して、大きなレースに勝ってくれれば嬉しいのでしょうが、競馬はそんなに甘いものではないと思っていますので、当面の目標としては無事に走って欲しいです。
私のoffStyle
とにかく馬が好きで、馬のそばにいることが好きなんです。