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レイクヴィラファーム/熊田 耕太郎さん

気付いたら馬が好きになっていました。

生産担当 熊田 耕太郎さん

北海高校卒業
イヤリング担当 レイクヴィラファーム(洞爺湖町)勤務新しいタブで開きます

質問1 現在の仕事内容

私が勤務しているレイクヴィラファームは、生産と、本格的な騎乗馴致を行うまでの期間を管理する牧場です。以前はメジロ牧場という名前で生産や中期育成だけでなく、騎乗育成までも行う総合牧場で、種牡馬も管理していました。
私は19歳の頃にメジロ牧場へ入社したのですが、当時は騎乗スタッフとして、育成馬や休養に戻ってきた競走馬にも騎乗してきました。8年前にメジロ牧場が解散してレイクヴィラファームとなってからは、牝馬のイヤリングを担当するようになっています。それでも出産シーズンはお産の手伝いをしたり、セリの時期は上場馬の管理を行ったりと、そのシーズンごとに合わせたスケジュールで仕事を行っています。
秋シーズンは7時からスタッフミーティングを行い、その日の仕事内容を確認。ミーティングの後は夜間放牧を行っている当歳馬や1歳馬の集牧や放牧を行いながら、給餌や馬体チェックなどを午前11時まで行っています。
午後は13時から作業を開始するのですが、この時期(9月)はセリでオーナーに購買いただいた1歳馬たちが育成牧場に移動する時期でもありますので、初期の馴致も行います。少しでも良い状態を保ったまま、次に携わる方に送り出したいとの考えがありますし、「レイクヴィラの馬は扱いやすいね」との言葉を聞くのは本当に嬉しいです。全ての作業が終わるのは17時です。

質問2 牧場就業を選んだ理由

どのタイミングかは分かりませんが、気付いたら馬が好きになっていました。社台スタリオンステーションに種牡馬見学を行ったこともありますし、家族と日高をドライブした際には、車窓の向こうにある牧場の風景に興奮しているような、そんな子供でした。
その頃には柔道もしていたのですが、中学、高校と全道大会を優勝し、高校のインターハイでは全国で5位にもなったので、両親を含めた周りの方からは「進学して柔道を続けた方がいいのでは?」と言われたこともあります。それでも柔道は高校までとの決意に変わりはありませんでした。その気持ちを感じ取ってくれたのか、母が知り合いだったJRA競馬学校の先生に相談したところ、札幌競馬場の乗馬センターに通うことを進言してくれただけでなく、そこで1年間乗馬の練習をした後にメジロ牧場の就職先も紹介してもらいました。乗馬センターでは年越しも正月も馬に乗っていましたし、1年365日のうちの360日は通ったと思います。

質問3 仕事で一番嬉しかった事、または醍醐味

イヤリングと言う仕事においては、やはりセレクトセールといったセリ市で、牧場から送り出した生産馬たちに高い評価をいただけているのはやりがいを感じます。その一方で、いくらセリで高い評価を受けても、競走成績に繋がらなければいけないとも思っています。なので、セリで買っていただけた馬たちが、競馬でも活躍できるだけの管理もしっかりと行っていきたいです。

質問4 仕事で大変だった事、または失敗エピソード

牧場のある洞爺湖町は、北海道を代表する観光地でもあり、夏は景色も含めてとても心地のいい場所です。その一方で冬はホワイトアウトと呼ばれる、視界不良の猛吹雪になることもあります。騎乗スタッフだった頃の話なのですが、そのホワイトアウトの中で運転し、そのままロータリーの除雪車に追突しました。その後は記憶がなかったのですが、車の前方が大破していて、冬の運転は怖いなと改めて思いました。また、当時は吹雪の日にも馬に乗っていたのですが、風向きの関係で身体の半分だけ雪で白くなっていたことがありました。

質問5 仕事をする上で心がけている事

メジロ牧場が解散した時は馬にも乗れなくなるのではと思い、この仕事を辞めようと思ったこともあります。ただ、メジロ牧場の頃からの仲間たちと一緒に『メジロ』の血統を繋げていきたいとの思いからレイクヴィラファームのスタッフとなることを決意しました。
騎乗スタッフの頃から、馴致などの仕事も行ってきたのですが、レイクヴィラファームとなってより深くイヤリングや、生産に関わっていく度に、その奥深さにのめり込むようになっています。心身共にいい状態で次のステップに送り出すには、栄養と運動と休息の3つを上手くバランスを取りながら、管理を行っていく必要があると思います。その先にあるのが、生産馬全てが無事にデビューを果たすことや、全ての馬が勝利をあげることだとも思っています。
あとはチームワークですね。私が仕事をする上で心がけているのは、互いをリスペクトしあうことであり、それは、レイクヴィラファームのスタッフ全員が共通している気持ちだとも感じています。互いをリスペクトしているからこそ、ミーティングなどでは意見がぶつかり合うこともあります。それでも馬の管理に対して目指すところは一緒であり、だからこそ、まとまりのある牧場になっているのだと思います。

質問6 仕事上での今後の夢、または目標

レイクヴィラファームとなってからの重賞馬も誕生していますが、自分が管理を任されている牝馬からは、まだタイトルを取れてはいません。それだけに次は牝馬の重賞馬を送り出すだけでなく、いずれは牡馬、牝馬共にGⅠ馬も送り出したいです。
そして『メジロ』の血統を復興させていくことも、僕らの使命だと感じています。トリオンフ(小倉大賞典、小倉記念)を送り出したメジロトンキニーズ、ショウナンラグーン(青葉賞)を送り出したメジロシャレードは、自分が騎乗スタッフだった頃に騎乗していた馬でもあり、繁殖牝馬となってもレイクヴィラファームを支えてくれる姿には頭が下がります。

私のoffStyle

目標は家族でのハワイ旅行です。

仕事の後は地元の洞爺柔道少年団で柔道を教えています。また洞爺中学校の外部コーチとして、中体連といった大会では同行もしています。競技をしていた頃の自分を知っている方からは「洞爺で何をやっているの?」と聞かれることもあります(笑)。指導者としての資格を取るために、2年前に3段を取得しました。
家族とは近くのある洞爺湖町のキャンプ場に行くことが多いですね。まだ子供が小さいのですが、いずれは家族で色々な場所に旅行に行きたいですし、目標は家族でのハワイ旅行です。