2024/02/13
JRA日高育成牧場です。
2022/07/11
都内では6月末から7月にかけて観測史上最長となる9日連続で最高気温が35度を超える猛暑日を記録していますが、浦河の6月は梅雨前線あるいはオホーツク海高気圧の影響による「蝦夷梅雨(エゾツユ)」のため、雨の日が多く比較的涼しい日が続きました。そのため、馬にとっては過ごしやすい気候でした。一方で、この時期の生産牧場における重要な業務でもある「牧草収穫」が順調に実施できないという問題が発生しました。
牧草収穫は大きく分けて「刈り倒し」、「乾燥」、そして「収穫」の作業が必要であり、この一連の作業に要する期間は、天気次第ですが概ね4~5日間となります。そのため、週間天気予報を参考にしながら、「刈り倒し」の日を決定します。その後は無事に良質の牧草が収穫できるように、晴天が続くことを唯々祈ることしかできません。牧草作業期間は、就寝中に屋根に響く雨音で飛び起きることもあり、眠りの浅い日々に悩まされます。これらの苦労の結果、良質の牧草が多く収穫できた時の喜びは想像を絶するものとなります。
「蝦夷梅雨(エゾツユ)」の合間を縫って無事に収穫することができた牧草収穫の工程を写真で紹介いたします。
〔写真1 刈取り直前の穂ばらみ期のチモシー牧草〕
〔写真2 モアコンディショナーによる刈取り作業〕
〔写真3 テッダーを使用した反転および拡散による乾燥作業〕
〔写真4 夜~早朝にかけては夜露が付着する面積を最小限にするために棒状に寄せておく〕
〔写真5 乾燥作業を3日間繰り返した後にロールベーラーによってロール牧草が完成〕
〔写真6「蝦夷梅雨(エゾツユ)」の合間を縫って無事に収穫できたロール牧草〕
〔写真7 刈り取り直後(左:水分含量は約80%)と梱包直前(右:水分含量は約12%)の状態〕
春に生まれた当歳馬達は母馬との距離が広がってきており、親子ともに8月末の離乳の準備に入っているようにも感じられます。北海道といえども、これからは30℃を超える日も増えてくるため、これから8月末までは馬の天敵である「アブ」に悩まされる日々が続きます。
〔写真8 放牧地での母馬と子馬の距離は徐々に広がってきています〕
〔写真9 一方、暴風雨の後などは親子のみならず、集団で行動しているのは草食動物の習性であると感じます〕