2024/02/13
JRA日高育成牧場です。
2015/01/16
さて、日高育成牧場では、1月第1週目からBTC研修生に対するJRA育成馬騎乗実習を開始しています。18名の生徒を3班に分けて1週間交代で実施し、1日に2~3鞍騎乗するというものです。騎乗のみならず育成牧場の様々な仕事を実際に担当させ、異なった環境での経験を積み、ホースマンとしてのスキルを高めてもらいたいと考えています。彼らは、これまで騎乗してきた練習用乗馬との差にとまどいながらも、日々、馬から学び上達しているように感じます。
角馬場での準備運動では、両手前の速歩を行い、若馬の左右均等な筋肉発育を促します(番号つき青ヘルメットを着用して騎乗しているのがBTC生徒です)。
若馬を調教するうえで大切なのは、肉体的な負荷をかけることよりも「競馬で能力を発揮することができる」ことを念頭に置いた馬のメンタル教育と考えています。すなわち、騎乗者の扶助に対して従順で前向きに行動する馬、いいかえると、「BTC生徒を育てることができる馬」を調教したいと思っています(逆にJRA職員しか騎乗できない難しい馬は、なかなか競馬で能力を発揮できないのではと実感しています)。
ゲートを通過した後、800mトラック馬場にてキャンター調教を行います(ゲートを通過中の馬にはBTC生徒が騎乗しています)。
これまでBTCの生徒が騎乗していたJRA育成馬は活躍しています。重賞勝馬で思いつくだけでも、ナスダックパワー、トップオブワールド、エイシンオスマン、モンストール等がいます。また、昨年の売却馬ではトーセンラークも主として生徒が騎乗していた馬です。研修生たちが競走馬を目指した調教を行った中から活躍馬が出ると、彼らの今後のホースマン人生で大いなる自信を与えてくれるのではと思います。そうした意味でも、競馬で持てる能力を発揮できる強い馬を調教できるよう、私たちも頑張りたいと思います。
隊列を整えた集団調教は、競馬での馬ごみに慣らすための調教と位置づけています。ここでは、前後左右の馬に慣らすために6頭で2列縦隊での調教を行っています。できるだけ馬群をつめて調教できるように目指しています(インの前から2番目と3番目がBTC生徒です)。