2024/02/13
JRA日高育成牧場です。
2013/12/21
12月8日に行われた第65回ジュベナイルフィリーズ(G1)には、今年の春まで日高育成牧場において調教されていたJRA育成馬が2頭出走しました。日高育成牧場職員一同応援しておりましたが、結果はクリスマス号(美浦・斎藤厩舎)が追い込み届かず4着、そしてグランシェリー号(栗東・庄野厩舎)が10着という結果でした。
グランシェリー号はJRAホームブレッドと呼ばれる日高育成牧場の生産馬です。 お母さんの名前はエポックサクラ号。日高育成牧場で生産されるJRAホームブレッドと呼ばれるサラブレッドは、生まれる前からブリーズアップセールに上場されるまでの約2年間にわたり、生産から後期育成にわたる調査・研究に貢献しています。
生まれてくる前には、不受胎など交配に関する諸問題についての調査研究のために、母馬のお腹にいるときからヒトの産婦人科で見られるような3次元のエコー検査なども受けており、母馬もまた、定期的に血液中のホルモン値の検査などが行われています。
生まれてくるときには、母馬の乳汁のpH値を測定して、お産の日が予測できないかを研究してきました。この研究の成果により、出産予定日の前後10日間近く寝ずの番をしていたものが、今では出産の前日くらいには生まれることが分かるようになりました。サラブレッド生産農家の負担はかなり楽になったと聞いています。
ヒトのエコー検査ではお腹に検査機器を当てて検査しますが、サラブレッドのエコー検査は写真のように直腸壁を介して行われます。
エポックサクラ号が妊娠中の胎児(グランシェリー号)の3Dエコー写真です。妊娠第150日目となりますが、かわいらしい尻尾を確認することができます。また、この時点で牝であることが確認できます。
グランシェリー号誕生の瞬間です。お産の時に母馬のエポックサクラ号の着けているのは心電計です。心電図をモニターすることで、お産の時期が判定できないかと研究しているところです。このように、いろいろなステージで調査研究を行っています。
以上紹介したのは研究のほんのごく一部ですが、日高育成牧場では民間の生産牧場ではなかなか出来ないような調査研究を各ステージで行っています。JRAホームブレッドは、生産から後期育成に関わる様々な問題が解決できるように、いろいろな調査研究の対象として活用され、その研究成果については講演会や、いろいろな刊行物に掲載することによって広く生産や育成に関わっている牧場の皆さんにお知らせしています。
JRAホームブレッドが活躍することは、日高育成牧場のいろいろな取り組みが功を奏したともいえることで、日高育成牧場の日頃の業務の励みになっています。昨年生まれた8頭のJRAホームブレッドたちは、セールで購買された他の育成馬たちとともに、現在順調に調教をこなしています。本年も7頭の子馬が誕生ました。来年あるいは再来年にデビューすることになるJRAホームブレッドの活躍を見守りたいと、生産から育成まで担当している職員一同願っています。
JRAのホームブレッドに関する話題や、育成馬の活躍情報などはこちらで紹介しています。是非一度訪問してみてください。⇒http://blog.jra.jp/ikusei/
日高育成牧場 副場長 横田貞夫