2024/02/13
JRA日高育成牧場です。
2016/06/13
6月9日(木)に、JAみついしさんと三石軽種馬生産振興会が主催する1歳馬(2015年生産馬)の品評会に行ってきました。ところで皆さん。ウマの品評会って何でしょう?主催者の方のお話では「飼養する若駒の育成管理技術を競うもので、出場する1歳馬の発育はもちろんのこと、馬の馴致や手入れの状況や馬を引くハンドラーの見せ方の技術までが審査の対象となる」とのことです。馬のミス(ミスター)三石を決めるコンテストかと思っていましたが、馬の出来はもちろんのこと、牧場の技術の総合力が試されるコンテストなんですね。これは侮れません。
審査の対象となったのは牡11頭、雌12頭の合計23頭。いずれも、厳しい予選を通過した素晴らしい馬ばかりです。審査員は、馬が飼われている牧場に一軒一軒出向き、まずはその立ち姿を見て馬体や手入れの具合などをチェック。その後、10mほどの距離を常歩で2往復してもらい、馬の歩き方とハンドラーの技術を評価します。トリミングなどが施され手入れがいき届いた馬が、颯爽とハンドラーとともに歩く姿は、ちょっと気取ってみえてまるでファッションモデルのようでした。
朝9時から始まった馬の審査ですが、最後の牧場を後にしたのは15時すぎ。その後、審査員が集まり最優秀賞をはじめとした各賞が決まり、17時から表彰となりました。表彰式では審査員の一人であるわが日高育成牧場場長の平賀から「ここ数年の全体的なレベルの向上は著しく、今回は僅差で賞が決まりました」との講評がありましたが、私も本当にそう思います。今回は、馬の出来が皆素晴らしく差がつかないなか、ハンドラーの"見せる技術"のわずかな差で明暗が分かれたといった印象です。牡馬部門・雌馬部門の最優秀賞馬が、いづれも「人馬の一体感」を最もよく表現したハンドラーに贈られるベストターンドアウト賞を受賞したのも決して偶然ではないでしょう。馬を活かすのはやはり人なんですね~。とても、勉強になった一日でした。
あいにくの雨の中、厳しい目で審査する審査員に皆さま。馬体だけでなく、手入れの具合や躾けの良し悪しまでが評価の対象になっていました。
サラブレッド牝の部最優秀賞馬アポロティアラの2015(山際牧場さん)。気品に溢れた馬体とハンドラーへの信頼感による落着きが際立っていました。
ハンドラーのリードのもと颯爽と歩くクイーンロマンスの2015(稲葉牧場さん)。直線上を軽やか往復する姿はファッションモデルを思わせます。