2024/02/13
JRA日高育成牧場です。
2013/10/25
10月7日(月)から9日(水)までの3日間にわたり、本年度最後の競走馬市場である「北海道市場オータムセール」が開催されました。当歳市場は低調でしたが、1歳市場は670頭が上場され、売却頭数は383頭。売却率は57.16%、売却総額は11億円あまりと、8月に開催されたサマーセールに続く好結果となりました。
このオータムセールでJRAは2頭を購買。これで今年のJRA購買馬は6月に開催された九州1歳市場に始まり、オータムセールまでの6市場で牡、牝それぞれ37頭を購買しました。購買した74頭に日高育成牧場で生まれたJRAホームブレッド8頭を合わせた合計82頭の1歳馬が、来年4月に中山競馬場で開催されるブリーズアップセールに向けて日高育成牧場と宮崎育成牧場で調教が積まれていくことになります。
育成馬たちの調教状況についてはまたの機会に紹介したいと思いますが、JRAのホームブレッドに関する話題や、育成馬の活躍情報などはこちらで紹介しています。是非一度訪問してみてください。 → http://blog.jra.jp/ikusei/
さて、競走馬市場は良く話題になりますが、10月23日(水)には同じ北海道市場で「繁殖馬セール」が開催されました。国内唯一のブルードメアセールで、年に2回(秋・冬)開催されています。
今回は2歳から20歳までの223頭(受胎馬182頭/空胎馬41頭)が上場され、売却頭数は138頭、売却率は61.88%。最高価格はエンパイアメーカーを受胎している忘れな草賞勝ち馬のモーニングフェイス号(父:スペシャルウィーク)が3885万円で取引されました。
競走馬の市場と異なり、牧場関係者が多数参加するこの市場では、お腹周りがゆったりしたお母さん馬たちが上場され、購買参加者も歩様をチェックするよりも産駒に遺伝するコンフォメーションのチェックや繁殖牝馬としての素養のチェックをしています。
「繁殖馬セール」では上場馬もゆったりとしています。
一方、繁殖馬セールが行われた前日の10月22日(火)には、北海道釧路市大楽(おたのし)毛(け)で「北海道乗用馬オークション」が開催されました。これは2歳馬を中心とした乗馬用の馬のセリで、全国から乗馬クラブなどが購買者として参加しています。JRAも今回、2歳の乗用馬を2頭購買しました。
競走馬のセリとの大きな違いは、品種はもちろん違いますが、実馬の展示の際に障害を自由飛越させたり、購買予定者が実際に騎乗してみたりすることができることです。購買予定者は騎乗した感じをもとにセリに参加します。
乗用馬のセリは遠野物語で有名な東北地方の遠野市でも開催されますが、ここ釧路市の大楽毛もかつては三大馬市場のひとつであり、明治末期に日本人の使役に適するように改良された「日本釧路種」と呼ばれる小格重輓馬のふるさとでもあります。釧路周辺に来られた際には大楽毛駅前にある「日本釧路種」の馬像を訪ねてはいかがでしょうか。
上場馬の実馬展示の際には自由飛越(騎乗者無しでの障害飛越)も披露されます。
セリの開始前には購買希望者による騎乗チェックを行うこともできます。
乗用馬のセリ会場の様子です。
日本の三大馬市場であった釧路市大楽毛には、駅前に「日本釧路種」の馬像があります。
日高育成牧場 副場長 横田貞夫