牧場を知る
牧場で働くまでの流れや先輩紹介、キャリアプランなどを紹介しています!
2023/11/14
お久しぶりです!二回目の登場となる青森県出身のK.Yです。
秋の終わりになり、自然が寂しくなる頃。この季節の静けさと美しさを感じながら、私たちは残り半分となった研修を一生懸命に取り組んでいます。このブログを暖かい飲み物に包まれ、読んでいただけることを願っています。
さて、今回のテーマはホースマンを目指す私たちとは切っても切り離せない「セリ」です。私たちは、「セプテンバーセール」「オータムセール」の二つの一歳馬のセリと「繫殖牝馬セール」の計三つのセリを実際に見学させていただきました。
まず、セプテンバーセールではセリ参加者の方々は競走馬としてのポテンシャルを見極める必要があり、そのため馬のコンフォメーション(馬の外貌から判別することができる骨格構造、身体パーツの長さ、大きさ、形状、バランスの事)や血統に焦点を当てます。牧場の方々はコンフォメーションをくまなく見てもらう為にバランスの良い駐立や元気に歩かせる為に様々な技術を駆使していました。駐立と言っても雄大で強そうな立ち姿であれば馬主の方々からの印象も良く映ります、そういったところで馬を買っていただけるように工夫するプロの技に私たちは多くの事を学ぶことができました。そして、競走馬にとって一番重要なのは血統です、強力な血統はそのまま将来の成績に影響するため大事なアピールポイントになります。ハンドラーと呼ばれる一歳馬を保定し紹介する人たちは自分の担当する馬の血統についての情報を記憶し、血統背景や兄弟の実績について参加者の方々に紹介していて凄いと思いました。私たちも担うことになるかもしれないプロの仕事について間近で学ぶ事ができて非常に有意義な時間でした。
次に、オータムセールではセリ参加者の視点から自分たちで高く売れそうな馬を予想してみました。そして学んだ事は市場動向を理解し、需要と供給のバランスを考慮するスキルも不可欠だということでした。私の知らない種牡馬の産駒がすごく高値で売れていてビックリしましたし、日々変化してゆく市場の動向を感じた場面でした。牧場側としてはセリでの需要に応じて生産計画を調整することが重要になります、市場が求める特定のタイプの馬を生産することで、競りやすくなる為です。様々な立場の視点からセリを見る事で新たな気づきや、将来的な成功が期待できる一歳馬を見つける事の喜びを味わうことができました。
オータムセールは年間最後の一歳馬のセリ市場として次年度の競争シーズンに向けた期待感が高まります、セールで取引された馬が次年度の競争で成功することは、セールの成功に繋がるので市場に出た馬たちが走るのが今から楽しみです。
最後に、繫殖牝馬セールでは、馬産業の中核である繁殖に焦点を当てて学べることを探しました。現役を引退した牝馬の価値を見極め、血統の更新や優れた血統を導入し貢献することがセールの中心的な目的であることを理解して。参加者の方々が繁殖において優れた牝馬を見つける事が馬産業の発展に寄与する重要な要素であることを感じました。牧場側では繫殖牝馬の選定に慎重に取り組み、将来性のある血統を導入することで、繁殖においても成功が期待できるため繫殖牝馬は牧場の未来を築く鍵となります。そういった視点からもセリを見学することで将来の牧場での活動に活かせる学びを得ることができたと思います。
今回の見学では、セリは馬産業において不可欠な存在であり、複数の側面でその重要性が示される事が分かりました。馬の市場形成においてセリは中心的な役割を果たし、馬の価値や需要を明確にします、価値は外見や血統、競争実績に基づいて確定され、これが市場の機能を支えますし、馬はセリを通じて新しい所有者に移り、新たな環境でのトレーニングや競争での活躍が期待されます。これが馬のキャリアや成績向上につながり、馬の価値を向上させます。また、異なる生産者間での取引により血統が広がり、競走馬や繁殖牝馬としての新たな可能性が生まれます。セリは馬産業全体に経済的な活性化をもたらし、馬産業の発展を支える存在として不可欠であると強く感じた見学でした。