2013 見学会レポート（関東）
2013 見学会レポート（関東）
「おはようございます♥」
振り向くとそこには、紺色の制服に身をまとった2人の少女の姿。
さあ、今年もまた「牧場で働こう」見学会in関東バスツアーのスタートです。
今回の参加者は、群馬県から駆けつけたというその“さわやか挨拶女子高生”2名を含む15名に、7名の保護者を加えた総勢22名。
皆さん、それぞれの思いを胸にバスに乗り込み、一路最初の目的地、茨城県の「ビッグレッドファーム鉾田トレーニングセンター」を目指します。
約1時間半の道のり、当初は異様な緊張感に包まれていた車内も、参加者全員の自己紹介を終える頃にはすっかり打ち解けた雰囲気となりました。
ビッグレッドファーム 鉾田トレーニングセンター
～現役競走馬の坂路調教の迫力に圧倒～
出迎えてくださったのは、鈴木晃一場長。後の座談会で明らかになるのですが、若い頃は意外にも（？）競走馬とは全く縁のないバイクレーサーを目指していたのだとか。日高での牧場就業経験を経て、競走馬の育成に携わることになった経緯など、実体験に基づいたお話には、参加者も興味深く聞き入っていました。
さて、このトレーニングセンターですが、今年で開場6年目、主に600mの坂路馬場を使用したハードなトレーニングにより、競走成績もグンとアップしている、とのことです。急勾配を駆け上がる現役競走馬の息遣いを間近にして、皆その迫力に圧倒されている様子でした。
鈴木場長による馬装説明
調教コースを歩いて感触を確かめる参加者
従業員の話に興味津々 ～鈴木場長を囲んでの座談会も～
厩舎やウォーキングマシンなど、ひと通り施設を見学したあとは、実際に同場で働く従業員お二方にお話を聞くことができました。「黙って仕事をしていれば、必ず認められる世界」「最初は馬を抑えられなくて辛かった。でもとにかく馬が可愛くて。それに結果がすぐに出るのでやりがいがある」と本当に楽しそうにお話されているお二方を見て、皆あらためてその魅力にグイグイ引き込まれていくようでした。
参加者を待ち受けていたサプライズは、なんと昨年のクラシック戦線を賑わしたコスモオオゾラとのご対面。同場で休養調整中のところ、馬房前で写真撮影やスキンシップの大サービス。一同大興奮のひと時でした。
最後に、広大な調教場を一望できるゲストハウスで、鈴木場長を囲んでの座談会で盛り上がり、「やってみようと思ったことは、とにかくやってみてもらいたい。チャレンジしなければもったいない」という熱い言葉で同場の見学は締めくくられました。
若手従業員の方から就労動機などを聞く
初めて見る飼糧にビックリ
作業道具の説明を受ける参加者
鈴木場長を囲んでの座談会
シンボリ牧場 ～自然と調和した歴史ある名門牧場～
シンボリルドルフが余生を送った馬房前での説明
興奮冷めやらぬ一行が次に向かったのは、千葉県にある「シンボリ牧場」。車中、お弁当をつつきながら、JBBA、BTCの研修紹介ビデオやグリーンチャンネルが制作・放映した特番「ダービー馬を育てよう」などを観ながら、事務局員との談笑の輪が広がりました。
成田空港からほど近いシンボリ牧場は、木々や草花に囲まれたその広大な敷地に、厩舎、ウォーキングマシン、屋根付き坂路、1600mダートコースなどが整然と整備されていますが、自然との調和のとれた落ち着いた雰囲気に包まれています。「ここは元は御料牧場でした。ここでは、馬のことばかりでなく、草刈りや牧柵修理、農機具の整備などの雑務も大切な仕事なのですよ」と案内役の平野晴之さんのお話に納得です。
坂路についての説明
さて、わが国の坂路調教の魁とも言われている600mの坂路馬場を見学後、またも一行を待ちうけていたサプライズが…。なんとあのシンボリルドルフが余生を過ごした厩舎の中にまで入れていただくことができ、ありし日の名馬の雄姿に思いを馳せました。
厩舎地区での説明を受ける参加者
平野さんはBTC研修を卒業して同場に就職後、経理の勉強をして現在は事務職として幅広い事業の運営を切り盛りしています。
ここでは、参加者からBTCの試験内容や、牧場での具体的な仕事内容などについて、活発な質問が飛び交いました。
「今日の見学で、少しでも興味が深まってくれればうれしいですね。頑張ってください！」
漠然としていた参加者の思いも少しづつ“カタチ”になってきたようです。
熱気に溢れた帰路のバス車内 ～続きはBOKUJOBフェアで！～
今回の見学メニューは以上でしたが、帰りの車中は事務局員が参加者皆さんの座席をまわり、個別の相談や談笑で熱気ムンムン。
牧場就職のため乗馬クラブに通っている、静内の生産牧場でファームステイする予定、BTCやJBBAの受験を考えている、馬の獣医になりたい、まだ何も決めてはいないけどこれからじっくり考えたい…。
参加者それぞれの思いを受けて、あらためて事務局員一同も皆さんのお手伝いに何ができるのか、何をすべきかを考えさせられ、身の引きしまる思いです。
残念ながら、こうした見学会は人数に限りがありますが、7月27日・28日に東京競馬場で開催するBOKUJOBフェアには、ぜひ多くの方の参加をお待ちしているところです。
最後になりましたが、お忙しい中御協力いただきましたビッグレッドファーム鉾田トレーニングセンター、シンボリ牧場の皆様には、この場をお借りしまして深く御礼申し上げます。
シンボリ牧場前での集合写真