2022/04/28
日本軽種馬協会 軽種馬生産育成技術者研修 【JBBA静内種馬場研修課】
2015/05/01
はじめまして。JBBA研修所スタッフの山本と申します。はじめてブログにお邪魔しますが、よろしくお願いします。
さて、全国的に暑い日々が続いているようですが、ここ静内も例年より暖かく感じられます。二十間道路の桜も開花し静内にも春が来たようです。
JBBA研修所では3月21日に第36期生の修了式が行われ、4月2日からは新たに第37期生が入所し、全国各地から集まった12名が研修生活をスタートしています。12名の多くが全く馬を扱ったことがないのですが、1年間の研修を通して生産・育成牧場で生きていくために必要な技術と知識を身につけるべく、悪戦苦闘しています。
そして早速、研修生は分娩実習へ行ってきました。お世話になったのはJRA日高育成牧場です。夕方に牧場へ到着し、分娩に関する講義を受けた後、分娩監視をしました。監視に入ってから約3時間後の夜10時30分頃に破水があり、10時45分には無事出産をしました。安産で本当によかったです。そして更に11時30分頃には子馬が起立しました。生まれてから1時間足らずで立ち上がるなんて、人間と比べると本当に早いですよね。ただ、なかなか初乳を飲むことができずにいました。子馬は母馬の初乳を飲むことで免疫を移行させるため、丈夫に育つためにも初乳を飲むことは非常に大切なのです。無事に生まれてからも注意しなければいけないことが沢山ありますね。JBBA研修生はそれから暫く母子の様子を観察し、深夜1時過ぎにJRA日高育成牧場を後にしました(帰りの車中はみんな爆睡していました)。
今回出産した繁殖牝馬は予定日まではまだ1週間以上あったのですが、お産が近いとの連絡を受け、急遽実習させていただきました。JRA日高育成牧場では分娩兆候を見る際に乳汁のpHや糖度を測っています。pH値が6.4以下、糖度が20以上であればいつ生まれてもおかしくないとのことでしたが、今回お産をした繁殖牝馬は夕方に測定したpH値が6.2、糖度22.4で、正にその日のうちに分娩がありました。JRA日高育成牧場の研究成果が生産牧場に生かされ、分娩の際の負担が少しでも軽減されればと思います。
研修生は初めて馬の出産現場に立会い、生命誕生の神秘と力強さにきっと感動してくれたと思います。今後、更に多くの経験を積み、技術や知識を身につけ、来年の今頃には新たな就職先の牧場で活躍できるよう1年間の研修に打ち込んでいきます。
1年後に12名の研修生がどのようなホースマンに成長するのか楽しみです。