1. ホーム
  2. イベントに参加する
  3. 牧場で働こう体験会
  4. 2018 体験会レポート(1日目)

2018 体験会レポート(1日目)

2018 体験会レポート(1日目)

レポート(1日目)

8年目を迎え、すっかり馬産地の恒例行事となったBOKUJOB(牧場就業促進事務局)の「夏休み牧場で働こう体験会」。競走馬を育てるという仕事に興味があるけど、不安もあるという方々に、牧場での仕事と生活を実際に体験してもらおうという試みです。最初は手探りのままスタートいたしましたが、毎回ご協力をいただくアンケートなどを参考にしながら「牧場が求めているもの」「働く側が求められているもの」により近づこうと微調整を繰り返しています。

実施時期を8月下旬から上旬へと変化させたのも、そのひとつです。しかし、今年は西日本を中心にした記録的な豪雨、そして国内最高気温を観測するほどの猛暑など例年に無い自然環境の中での体験会となりました。

中でも、7月25日(水)に発生した台風12号は、27日(金)には小笠原諸島にもっとも接近。その後は東から西へと向かう異例のルートをたどることになり、29日(日)に三重県に上陸しました。とくに関西、西日本地区からの参加者の足に大きな影響が出たにもかかわらず、夜遅くの到着となった参加者も含め16人が顔を揃えてくれました。ほっと胸を撫で下ろすと同時に、参加者の方々の意気込みに身が引き締まるような思いでした。

「夏休み牧場で働こう体験会」スケジュール

1日目7月29日(日)
14時
  • 新千歳空港出発
  • 浦河町へ移動
夕方
  • オリエンテーション
  • 体験牧場との顔合わせ夕食懇親会
  • 夕食あり
宿泊 アエル(浦河町)
2日目7月30日(月)
午前
  • 朝食あり
  • 各牧場での牧場就業体験
午後
  • 昼食あり
  • 各牧場での牧場就業体験

    実際に体験牧場に宿泊していただきます。

  • 夕食あり
宿泊 各牧場(浦河他)
3日目7月31日(火)
午前
  • 朝食あり
  • 各牧場での牧場就業体験
午後
  • 昼食あり
  • 各牧場での牧場就業体験

    実際に体験牧場に宿泊していただきます。

  • 夕食あり
宿泊 各牧場(浦河他)
4日目8月1日(水)
午前
  • 朝食あり
  • 各牧場での牧場就業体験
午後
  • 昼食あり
  • AERUにて乗馬体験
夕方
  • 夕食あり
  • BTC職員、牧場関係者を交えた夕食懇親会
宿泊 アエル(浦河町)
5日目8月2日(木)
午前
  • 朝食あり
  • BTC研修施設見学
午後
  • 昼食あり
  • JBBA静内種馬場見学
夕方
  • 夕食あり
  • JBBA養成担当者及び研修生との懇談会
宿泊 ホテルヒルズ(新冠町)
6日目8月3日(金)
午前
  • 朝食あり
  • JBBA研修見学
午後
  • 昼食あり
  • 関係施設見学
  • ノーザンホースパークにて昼食
15時
  • 新千歳空港解散

集合 ~夢に向かっての第一歩~

今回、参加いただいたのは東京や大阪、四国などから参加した15歳から22歳までの男女16人(男性10人、女性6人)。高校生が最も多く12人(1年生6人、2年生2人、3年生4人)で大学生、専門学校生が3人、既卒が1人という方々でした。

志望する動機は様々です。「体験を通してたくさんの知識を見につけたい」「競馬場で馬を見て、競走馬を育てる仕事に興味が出てきた」「馬が好きなので、馬に携わる仕事がしたい」「競馬が好きなので、競走馬を育てるという仕事を知りたくなった」などなど。体験会に対する意気込みを聞いてみると「将来的に牧場で働きたいので、実際に体験したい」「複数ある選択肢のひとつとして牧場の仕事を考えている」「牧場の仕事に興味がある」という人もいれば「将来は競馬サークルで働きたいので、今回をその第一歩としたい」とそれぞれが、それぞれの目的意識を持っての参加となりました。


AERU到着少々疲れ気味です

乗馬経験者もいれば、馬には触ったこともないという人も。でも、それでも良いのです。なぜならば、そういう方たちに馬を、牧場の仕事を知ってもらうというのがこの体験会の目的なのですから。

14時に新千歳空港に集合した13人は用意されたバスに乗り込んで、スタッフとともに最初の目的地である浦河に向かいます。実は、この時間がもっとも緊張する時間なのです。 事前のアンケートで「体力」や「馬に関する知識」よりも「牧場の人や周囲とのコミュニケーション」に不安があるという人が圧倒的に多いのは今年に限ったことではありません。

もっとも多感な10代後半から20代前半の13人。普段の生活の中では、出会うことも、そして声を掛け合うこともない13人です。そして、実はその気持ちは迎えるスタッフ側も同じなのです。積極的に参加者へ声をかけるのも、1分でも早く参加者一人ひとりの個性を理解したいという気持ちからなのです。参加者にとっては父親のような世代、あるいはちょっと年が離れた親戚のおじさんのような世代かもしれませんが、参加者の方からも、スタッフの緊張をほぐすように受け答えをしてくれることに感謝です。

バスの中ではスタッフも含めた簡単な自己紹介などがありますが、まだ照れくささも手伝ってなかなか自分自身のことを上手に話せる参加者は多くはありません。しかし、新千歳空港から目的地の浦河までの約3時間(途中トイレ休憩含む)の間にバスの車窓から見る牧場風景が参加者に「北海道の牧場に来た」という意識を植え付けてくれます。

目的地に到着後は事務局から今後のスケジュールの確認や、仕事上の注意、あるいは生活をともにする上での最低限の注意事項などの説明があります。体験会とはいえ、実際の競走馬を扱う仕事です。人間が怪我をしないことはもちろんですが、不注意から馬を怪我させてしまうことは牧場にとっても、参加者にとっても、そして私たち事務局にとっても避けなければならないことなのです。


夕食会で元気回復

オリエンテーションのあとは受け入れ先となる牧場との夕食会です。この時間は食欲を満たすのはもちろんですが、ともに食卓を囲むことでお互いを理解するという意味があります。牧場の方々やBOKUJOBスタッフ、見知らぬ大人たちとの顔合わせは参加者にとってストレスであることは間違いないでしょうが、必要な時間なのです。今回、参加者を受け入れてくださる牧場は何度もBOKUJOBの事業にご協力をいただいている新ひだか、浦河、様似町の6牧場。生産牧場、生産と中期育成牧場、あるいは総合牧場など様々ですが「競走馬の牧場」という意味では同じです。まだまだ緊張の糸はほぐれませんが、少しずつ馬産地の空気が体の中にしみこんでくるような、そんな時間でもあるのです。夕食会の後、新千歳空港への到着が遅れていた3人も合流し、いよいよ牧場体験へと向かいます。

過去のレポート