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2017 体験会レポート(2日目)

2017 体験会レポート(2日目)

レポート(2日目)

各牧場で仕事体験

いよいよ「牧場で働く」1日がスタートします。昨日初めて会った仲間と、初めての大人たちに囲まれた夕食会。そして、期待と興奮でなかなか寝付けなかった参加者もいるかもしれません。しかし、牧場の朝は早く、ホテルにも無理をお願いして午前6時30分に朝食を用意していただきました。家で過ごす夏休みならば、この時間に朝食を食べることはほとんどないと思いますが、体力に不安を残す参加者にとってはしっかりと食べておくことも、ある意味では仕事なのです。

午前は牧場実習、午後は放牧作業

出発は午前7時30分。ここを出発すれば、ホテルに戻ってくるのは2日後です。2泊分の着替えなどを用意し、添乗スタッフが運転する車で、それぞれの牧場へと向かいます。馬とコミュニケーションが上手に取れるだろうか。怖い先輩はいないだろうか。何よりも、自分に牧場の仕事が出来るのだろうか。いろいろな事が頭をよぎり、おそらく、緊張感はピークに達していることでしょう。自然と口数も少なくなります。

今回、参加者を受け入れていただいた牧場は、牧場体験者受け入れの経験がある牧場ばかりですが、参加者にとっては初めての事ばかり。
宮内牧場には道内外の女子高校生3人を受け入れていただきました。ここではまず、放牧されている繁殖牝馬と今年生まれたばかりの当歳馬を厩舎に戻すことからスタートです。「朝なのに、馬房に入れるのですか?」という疑問を打ち消すように、夜間放牧の意味が説明されて体験会がスタートです。
参加者の中には乗馬経験者もいましたが、初めて馬に触る参加者も。初めて間近に見る馬の大きさに戸惑いながらも宮内さん自らが手本となり、また危険がないように見守ります。「馬が思った以上に大きくて、そして力が強くて最初はとても怖かった」という参加者の不安を「馬は人間以上に怖がりな動物。だから、怖がらずに人間がリーダーとなって馬を誘導することで馬が安心するんだよ」という言葉と、馬とのコミュニケーションの取り方のアドバイスで、少しずつですが打ち消していきます。

集牧が終われば、馬にとって嬉しい朝飼いの時間です。あらかじめ用意されていた飼葉を与え、そして馬の気持ちが落ち着いたところで手入れの実習です。手入れは、単に馬の汚れを落とすというだけではなく馬とのコミュニケーションを図る大事な時間でもあります。検温で熱を測りながら、外傷はないか、どこか腫れている場所はないか、昨日と比べて元気がないかどうか。わずかな変化の違いに気付いてあげることが、馬という動物を理解する方法なのです。
ほか、ここでは馬房掃除や廊下掃除、水桶洗いなどを体験したのち、装蹄見学、獣医師による診察なども見学させてもらいました。
「馬の生産は、命の大切さを痛感する仕事。無事に生まれたら、無事に成長するように最善を尽くし、育成牧場、競馬場へと送り出す。心配や不安がなくなることはない仕事だけれども、それを乗り越えたら良いことがあると頑張っている」と話してくださいました。

テイエムオペラオーの故郷、(有)杵臼牧場では2人の高校生と大学生を受け入れていただきました。
ここでは、ちょうど装蹄師が来場するタイミングでしたので装蹄見学からスタートです。馬は自分で爪を切ることができませんので、人間が蹄を削り、そして整えてあげなければなりません。馬の装削蹄はテレビや映画などでは見ることがあったかもしれませんが、実際に目の前で馬の蹄が整えられていくシーンに興味津々の様子。気さくな外国人装蹄師が場を和ませてくれたこともあって緊張感が和らいでいきますが、それでも実際に馬を間近に見るとその迫力に圧倒されます。

「蹄なくして、馬はなし」という言葉があるとおりに馬にとって、蹄は第2の心臓ともいわれます。人間のネイルと大きく異なり、馬の装削蹄はオシャレではなく、大切な作業なのです。「馬を育てていくなかには、こういう仕事もある」ということを初めて知った参加者もおりました。
午後は、午前中に手入れされた馬たちを放牧します。比較的扱い易い繁殖牝馬と当歳馬を5~6組、厩舎から放牧地まで誘導します。言葉にすれば簡単ですが、馬は人間の気持ちを察する動物です。人間が不安に思えば、馬も不安を感じ取ります。参加者に手綱を引いてもらいますが、ベテランスタッフが誘導する馬が先を行くことで、ウマもヒトも安心して歩くことができます。しかし、実際に、馬と一緒に歩くと、そのスピードにビックリ。これもまた新しい発見なのです。
放牧作業が終われば、馬を戻すまでの時間に厩舎の掃除。寝藁を干したり、今度は自分たちで決められた分量に従い、飼葉を用意したりします。すべては「馬が気持ちよく過ごせるように」です。
鎌田社長は「今回の参加者はみんな元気で、馬に対する愛情をしっかりと持っている人ばかり。つらいこともあるとは思いますが、頑張って続けてほしい」とエールを送ってくれました。

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