2016 辻牧場レポート

2016 辻牧場レポート

辻牧場


辻牧場での作業体験

競馬好きがきっかけで馬に携わる仕事に興味を持ち、浦河町の辻牧場で牧場体験することになった3人の男子高校生。乗馬に触れた事はあっても競走馬に触れる機会などそうあるものではありません。彼らはそれぞれ、ダービーをみて馬に関わる人間関係に魅力を感じその中に身を置きたいと思った、2012年の凱旋門賞に出走したオルフェーヴルに一目惚れし調教助手を目指そうと決めた、地方競馬が好きなので地方競馬の厩務員志望など、競馬の世界に身を置きたいと真剣に考えています。馬の世話をしたり寝藁を運んだり、牧場で働くスタッフの話を聞いてみたいなど、現場でしたいことに思いを馳せてこの日を迎えました。

牧場に到着した時間はあいにくの雨模様。外仕事が出来ないため辻牧場の厩舎や放牧地などを巡り見学させてもらいました。初めて見る当歳馬はまだ幼さが残りかわいくて元気いっぱいです。やんちゃな様子をみているとつい笑みがこぼれます。母馬は間近で見るととても大きく迫力がありました。施設見学の後には装蹄の様子も見ることができました。

雨があがり天気が回復して来たので辻牧場恒例、草むしり作業の開始です。厩舎周りや放牧地など今まで使ったことが無い道具を手にしてコツコツと、黙々と作業を続けます。地味な作業に思えますがこれも大切な仕事の一つ。些細な事にも目配り気配りできる人になるのは難しいけど牧場で働く人間にとっては大切な事なんだよと辻芳明さんから教えてもらったので、その言葉をかみしめながら地面を見つめひたすら雑草を処理して行きました。普段はしない姿勢をとったのと初めての場所や作業ということもあり少し疲労を感じましたが、辻さんが積極的に話しかけてくれたせいか、緊張もとけて牧場の雰囲気に自然と馴染んでいきました。辻牧場生産馬が出走したレースの映像を観せてもらった時、「これは何月何日のレースで勝った馬はこれで・・」と詳細まで覚えている競馬好きな3人に、辻さんもビックリしたようです。

牧場の仕事は早朝から始まります。一面真っ白に覆い尽くす朝もやの中、この時期とは思えない寒さに驚きながら水やりの作業をした後、馬の手入れの見学をしました。スタッフの手際の良さや馬との距離感などは間近でみると難しく、自分もできるようになるだろうかと自信が持てない部分もあったようですが、それでも作業全体をじっくり見学させてもらううちに内容が把握でき、慣れてきたら自分でもできるようになるかも知れないと思えました。辻牧場のスタッフ皆さんが楽しそうに仕事をしているのを観察し、こういう職場って良いなと純粋に思ったそうです。

馬房のぼろ拾いを教えてもらい作業を続ける3人の姿をみながら辻さんは「馬ってこんなに素敵だよ、こんなに面白いよ、やりがいがあるんだよ、という事を馬に興味がある人にも馬の事を知らない人にも知ってもらえるきっかけになればと思い、希望する子供たちを受け入れて来ました。馬に関する仕事がしたいと目的を持って来てくれた子達には、現実はしんどい時もあるものだと馬の辛さも教えてあげたいという思いもあります。そういう部分も含めて馬の面白さを知って欲しいですね。地道にやって行くことが生き甲斐になるんですよ。」とあたたかい言葉をかけてくれました。

各牧場での仕事体験レポート(2~4日目)

過去のレポート