「BOKUJOB 2018 メインフェア」レポートを掲載しました。 「牧場で働こう」体験会のレポートを掲載しました。

BOKUJOB「牧場で働こう」見学会

今回の参加者は中学・高校生に付添の保護者・先生方を加えた過去最高の総勢41名。事務局・添乗員を7名配し、バス2台に分乗しての見学会となりました。この日(3/10)の関西地区は少し肌寒さも感じられましたが、好天に恵まれ、「牧場で働こう 見学会 in 関西」は予定通り朝8時すぎに新大阪駅を出発しました。
車中では参加各自の簡単な自己紹介の後、ワイヤレスガイドの使い方などが説明されました。各見学先では、ワイヤレスガイドによって、説明者のマイクから参加者各自のイヤホンへ説明が流れ、多人数でも聞きやすい仕組みになっているのです。その後は牧場で働く若手たちを紹介するビデオを上映、参加者たちはビデオを眺めつつ、今日の各見学先に思いをはせている様子でした。

グリーンウッド・トレーニング

見学会の最初の訪問地は滋賀県甲賀市のグリーンウッドトレーニングでした。グリーンウッドさんは、JRA栗東トレセンの近隣にある民間の”コンディショニング”のための牧場です(※)。そのため在厩する馬の多くは現役の競走馬です。

※レースに出走させるための、JRA栗東トレセンの馬房数には限りがあるため、調教師はコンディションの良い馬をトレセンに置き、レースを使う予定のない馬は近隣の民間牧場にコンディション維持のために預けています。

グリーンウッドさんに到着すると、まずは坂路調教を見学しました。私たちのために調教時間を遅らせて待たれていた様子(感謝・感謝です)。ウッドチップコース坂路の頂上にある見学席では、2m下に競走馬を見ることができ、息づかいや蹄の音、騎乗者の声を聞くことができます。参加者一同、声もなく聞き入っていました。

厩舎地区に移動し、馬房、ウォーキングマシン、診療所、トレッドミルも見学しましたが、知識や経験が必要と感じました。馬道では騎乗者から丁寧に挨拶され、驚きです。誰にでも気持ちの良い挨拶をするのが、この世界のルールなのです。馬の動きだけでなく、牧場全体に躍動感があり、心地よく感じられます。

田中マネジャーとの質疑応答では、参加者から様々な質問が寄せられました。仕事の愉しさ、喜び、勤務時間、休日、遊びに行く場所にも答えていただきました。やはり「百聞は一見にしかず」ですね。

その後は独身寮も見学しました。丁度昼休前で、係のみなさんが昼食づくりに一生懸命でした。「いい匂いだな。お腹すいた~。」と思ったら、添乗員さんから、「それではグリーンウッドさんにお別れして、食事会場に移動します」との声がかかりました。でも独身寮のご飯、おいしそうだったなぁ~。

<昼食>
今年もレストラン『たぬき』で昼食。お土産屋さんにもなっていて、信楽焼のたぬきが所狭しと並べられています。事務局もそれぞれの参加者たちの席に入り、話が盛り上がっていました。

  • 坂路コース(ウッドチップ)

    坂路コース(ウッドチップ)

  • 坂路での調教風景

    坂路での調教風景

信楽牧場

昼食後、信楽牧場に移動。ここ信楽牧場を経営するのは中内田克二社長、2017年のJRA最優秀2歳牡馬ダノンプレミアムを管理する新進気鋭の中内田充正調教師の父上でもある。

バスはほどなく信楽牧場に到着、2台のバスにそれぞれ中内田社長と信楽牧場出身でホースマネジメントサービス代表の糸数氏がバスに乗り込んでこられ、車窓から見える調教コースを眺めながら牧場施設の説明をしていただいた。コースの内側はうっすら緑色がかっている。「調教コースの砂は深く、ここを走る馬にとっては非常に鍛錬になります。また、コースの内側に緑色に見えるのは牧草です。当牧場の良いところは、この牧草地から取れる新鮮な牧草を馬に与えられることです。」牧草はちょうど芽が出たところとのこと。

この後は2班に分かれての「うまや(厩舎)の見学」と「乗馬体験」。まずは乗馬体験の様子からお伝えする。この乗馬体験で我々を乗せてくれる馬は、普段は社員の乗馬訓練に使用しているのだそうだ。そう、この信楽牧場では馬に乗った経験が無くても、調教に必要な乗馬の技術を学ぶことができるのだ。待ちに待ったお楽しみの乗馬体験。この日は天気も良く、馬上からの眺めは最高。

次は厩舎見学の様子。中内田社長から馬の飼料の説明をしていただく。JRAのトレーニングセンターに戻った時に馬が戸惑わないよう、その馬がトレセンで使用している飼料を与えているとのこと。そのためか飼料の種類は多岐にわたる。厩舎の外では、馬が顔を出しており、みなリラックスした様子。中内田社長をはじめ牧場の方々と馬との良い関係が容易に想像できる。体験乗馬で我々を乗せてくれたマグナムを囲んで集合写真を撮った後は食堂での座談会。質疑応答を含む活発なやりとりがあり、BTCが行う研修の紹介もあった。

中内田社長からは、「騎乗技術は勿論ですが、まずは人間としての礼儀が大事です。BTC研修後に当牧場に就職した社員にはアイルランド研修を受けさせていますが、これから競馬サークルの一員となるにあたり、騎乗技術というよりも競馬発祥の地、ヨーロッパの馬文化を感じ、学んで欲しいと思って送り出しています。」「当牧場からJRAの調教師や厩務員になった者は約70名います。人手が減るのは牧場としては痛手ですが、当牧場には競馬サークルの教育機関としての役割もあるとの信念で、長年やってきました。この春も2名送り出します。」と育成牧場の心構えをお話いただいた。

その後、中内田社長から紹介された若手社員の方に、我々参加者の目線からの体験談を話していただきました。「自分はBTCの卒業生です。寮での集団生活を行うJBBAやBTCを活用するのはいいことだと思います。こちらでの寮生活にも違和感無く入れました。研修で馬術の基礎は学びましたが、こちらに来て感じたのは現役競走馬に騎乗するための体力が必要だということです。ランニング等で基礎体力をつけたりしています。」と話していただいた。「つらかったことは?」の質問には、「同期入社の社員に遅れをとることです。騎乗技術により、調教を任される馬や頭数が変わってきます。」とのことだ。

最後に中内田社長から、インターンシップ制度を利用するのも賢明との説明。「学校の長期休暇を利用して、3日から1、2週間と牧場で実際に働いて仕事を体験することで、就業してからこんなはずじゃなかったというミスマッチを減らすことができます。当牧場でも受け入れ可能な時期もあるので、遠慮なく問い合わせしてほしい」。とのこと。

毎年感じることだが、信楽牧場の魅力は社長の人柄にある。信念をもって競走馬と人材の育成に取り組まれている。そんなことを感じながら、最後の見学地、ノーザンファームしがらきに向け、信楽牧場を後にした。

  • 競走馬とのふれあいタイム

    競走馬とのふれあいタイム

ノーザンファームしがらき

今や「世界屈指の牧場」といっても過言ではないノーザンファーム。その生産馬たちがレースに向けて、日々調整を行っているのがノーザンファームしがらきです。全長800mの坂路コースと1周900mの周回コースがあり、特にメイントラックとなる坂路コースは、高低差が約40mもあり、JRA栗東トレーニングセンターに匹敵する施設を有しています。今回案内してくれたノーザンファームしがらきの山本さんが「施設も寒さも栗東には負けません(笑)」とおっしゃっられるとおり、見学当日も冷たい北風が吹き抜けていました。

一通りの施設面の説明をお聞きしたあと、厩舎に移動して最前線で働く若いスタッフとの質疑応答。その若いスタッフの方(入社3年目)は「今は壁にブチ当たっています。どうすれば騎乗技術が上達するのかを考えながら馬に乗る日々を送っています」と言われていました。何事においても、最初は目覚ましく上達しますが、ある一定レベルに達すると頭打ちになるもの。そんな状況を打破するために、先輩スタッフにアドバイスを求めたり、仕事が終わった後に乗馬の自主練習をしているそうです。

このように向上心の旺盛なスタッフが多数在籍することが、有数の施設と相まって、ノーザンファームの「強さ」を作り出しているのだと強く感じる見学会となりました。

すべての見学を終えて、新大阪駅に向かいました。車内ではアンケートに答えていただいたのち、BOKUJOB関連のビデオを上映しましが、深い眠りに落ちている参加者も多くみられました。アンケートを見ると今回のツアーの満足度はもちろんのこと、積極的な書き込みが多くみられ、参加者たちの熱意が伝わってきました。「3牧場それぞれの違い、特徴がわかり勉強になった」、「いいことばかりではなく、大変なこと、つらいことなど本音の話を聴くことができた」、「実際の作業体験をしたくなった」などなど。

最後に、快く今回の見学会を受け入れて対応してくださいました3牧場に深く感謝申し上げ、このレポートを終了いたします。

  • メインとなる坂路コースを見学

    メインとなる坂路コースを見学

  • 若手スタッフの話に耳を傾ける参加者たち

    若手スタッフの話に耳を傾ける参加者たち

  • 厩舎の説明を聞く参加者と馬?

    厩舎の説明を聞く参加者と馬?

体験乗馬後のマグナム号との記念撮影(信楽牧場)体験乗馬後のマグナム号との記念撮影(信楽牧場)