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2019 体験会レポート(3日目)

2019 体験会レポート(3日目)

レポート(3日目)

各牧場に泊まりで仕事体験

前日、仕事を終えた参加者たちは牧場に寝泊りをさせていただきました。「疲れて、いつの間にか寝てしまった」という参加者たちですが、力仕事を終えたあとは北海道の食材を用いた食事が用意され、お腹一杯に食べました。この日ばかりはダイエットなどとは言ってはいられません。

新ひだか町の(有)グランド牧場は、生産・中期育成・後期育成を行っている総合牧場です。天皇賞(春)に勝ったスズカマンボやチャンピオンズカップ優勝サンビスタ、あるいは地方競馬の年度代表馬ヒガシウィルウィン、ラブミーチャンなど活躍馬が絶えない牧場です。ここでは、ほとんど馬に触れたこともないという男子高校生3人が牧場の仕事を体験させてもらいました。

送迎車から降りた3人は、まずそのスケールに驚かされます。(有)グランド牧場は日高管内に3つの生産拠点を持っているほか、その育成牧場には全国の地方競馬場と同程度の1周1200㍍の馬場を備える日本有数の大型牧場です。施設の見学を終えたあと、厩舎作業から牧場体験がスタートします、何しろ(有)グランド牧場は年間50頭以上を生産するのですから、厩舎作業ひとつとっても膨大な量になります。


慣れない用具を使いボロを拾う

馬が放牧されている時間に、馬房内にある水桶を外し、馬房掃除です。慣れない用具を使ってボロを拾い、汚れた藁を取り除き、汚れた藁を軽トラックの荷台へと乗せ、そして新しい寝藁を補給します。水が入った水桶も、水分を含んだ藁も重く、簡単に持ち運びができるものではありません。先輩従業員の方々が、いとも簡単に行っている作業ですがなぜ自分たちが思うようにできないのか、不思議でなりません。それでも、見よう見まねで懸命に作業を行います。馬房の掃除が終わると、新しい水がたっぷりと入った水桶を準備し、青草を準備します。これは、馬たちにとっては大切な食事なのです。新鮮な青草が、こんなにも重いものだということも初めて知ったことでしょう。そして、この3人はここまで馬に触れていません。しかし、これが牧場で働くということなのです。もしかしたら、思い描いていた牧場実習ではないかもしれません。しかし、この3人からは「(牧場実習の)2泊3日は短かった」「牧場で働く気持ちが固まった」「牧場で働くということを体験できて嬉しかった」と感想をいただきました。これこそが「体験会」の醍醐味なのかもしれません。

同じ新ひだか町の(有)岡田牧場は、静内でも有数の歴史を持つ牧場です。社長の岡田隆寛さんは、日本軽種馬協会が行う生産育成技術者研修の修了生であると同時に、新ひだか町にある大型スタリオンステーション(有)アロースタッドの社長も兼務。近年では生産馬ヤマカツエースが活躍し、種牡馬となっています。


藁の敷き代えも力仕事です

ここでは「自分が住んでいる地元には馬に関わっている人が少なく、進路相談ができなかったので今回の体験を自分の将来につなげられるようにしっかりと学びたい」「馬のことを貪欲に学びたい」という3人の女子高校生が参加させてもらいました。

ここでは、厩舎作業から体験がスタートします。慣れない3人のために掃除を済ませた馬房が用意され、ここに新しい藁を敷きます。言葉にすればとても簡単ですが、慣れないうちはこれが大変な作業です。1本1本は軽い藁でもまとまれば重く、それを運ばなければなりません。力仕事に慣れない女子高校生にとっては厳しい作業です。引きずろうにも藁はほぐれて思うようになりません。それでも、なんとか藁を敷き終えると、水汲みです。水桶を馬房に用意するのですが、水がたっぷりと入った桶は重く、そしてせっかく敷いた藁にはこぼさないようにしないといけません。注意深くセットし、厩舎の外を綺麗に掃除して厩舎作業は終了します。

その後は、馬のお産について学ばせてもらったり、削蹄の見学をしたりと用意されたメニューが続き、間もなく競馬場へ移動するという2歳馬の手入れや厩舎掃除、水やりなどを経験させてもらいました。また、安定期に入っている繁殖牝馬がいる放牧地で馬の息吹や体温を感じ取ったほか、中期育成牧場の見学や、(有)アロースタッドの見学など。生まれたばかりの仔馬から、1歳馬、2歳馬、繁殖牝馬、そして種牡馬とさまざまなステージの馬と、その馬たちがいる環境を見学させてもらいながら、飼い葉作りも交えた厩舎作業などを体験させてもらいました。「知らないことばかり。馬に関する知識を得ることができて、馬をもっと好きになりました」。そして最後は「まだ見ていないステージがある」と、門別競馬場の競馬見学。もちろん、まだ馬券を買うことはできませんが、名物のバケツジンギスカンに舌鼓を打ちながらナイター競馬を見学。普段はテレビの画面などを通して何気なくみるパドックの光景ですが、彼女たちの目には馬を自然に引く厩務員さんの姿が今までと違ったものに見えたに違いありません。

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